野党「詐欺ショーの決定版」VS大統領府「誠実に答えた」
こうした釈明にもならない言い訳を11時間も続けたあげく、「必ず法務部長官になる」と宣言したことに韓国野党は怒り心頭だ。中央日報(9月3日付)がこう続ける。
「自由韓国党のイ・マンヒ院内報道官は『一方的な記者懇談会を国会で強行したことは、国民に対する詐欺ショーの決定版』と批判した。正しい未来党のキム・スミン院内報道官は『一方的に国会聴聞会は白紙に戻ったと宣言し、奇襲的に記者懇談会を開いて長官任命を受けるという、見たことも聞いたこともない奇怪な手続きを創り出したことには驚かざるをえない』と批判。文在寅大統領を含んだ関係者全員を権限乱用で告発すると明らかにした」
これだけ猛反発を受けながら、文在寅大統領はチョ氏を正式に法務部長官任命を強行しようとしている。東亜日報(9月4日付)「文大統領、『チョ・グク聴聞報告書、6日まで』...帰国後任命の模様」はこう伝える。
「文在寅大統領は9月3日、法務部長官候補のチョ・グク氏に対する人事聴聞経過報告書を6日までに送付するよう国会に要請した。これにより文大統領は、聴聞会の開催および経過報告書の採択有無に関係なく、7日午前0時以降、チョ氏を任命できる」
チョ氏の国会聴聞会は2日に予定されたが、喚問する証人の人選について与野党が折り合わず延期された。チョ氏以外に聴聞会がすんでいない長官(大臣)候補が6人もおり、文大統領は国会に「待っていられない」と時間切れを宣告したのだ。
国会の承認を受けなくても長官は任命できる。6日までに聴聞会を開くのは事実上不可能で、チョ氏の就任は決定的だ。
「ユン・ドハン大統領国民疎通首席秘書官は記者会見を開き、『チョ氏は記者懇談会で誠実に答えた。疑惑が解消できなかった部分はない』と強調した」
チョ氏は国民に説明責任を果たし、「みそぎ」はすんだというのだ。意外なことにチョ氏の「記者懇談会」は、国民の印象をよくする効果があったようだ。世論調査では、チョ氏の法務長官就任に賛成する国民が増えたのだ。