東洋大学の「ダイバーシティ研究グループ」は、企業や団体の女性活躍の度合いを評価する指標として独自に開発した「女性活躍インデックス」に基づくランキングの2019年版を、9月3日に発表した。
このインデックスは、企業ごとの女性活躍推進度の可視化、経年変化、経営改革を評価するツール提供などが目的。公表を始めたのは2年前で、それ以来3年通期(2017~19年)の1位はコンビニチェーンの「ローソン」だった。女性役員の比率や育休取得率の高さが評価された。
2019年の1位はオムロンエキスパート
東洋大学ダイバーシティ研究グループによると、「女性活躍インデックス」は2017年から公開。3年通期の1位はローソン。2位はイオングループでディスカウント事業を展開しているイオンビッグ、3位はパソナグループのIT領域専門で人材サービスを行うパソナテック。4位はやはりイオングループのイオンファンタジー、5位はセブン&アイ・ホールディングス傘下の外食事業を手がけるセブン&アイ・フードシステムズだった=下表1参照。
また、2019年の1位はオムロングループで人事や総務、経理のほか人材サービスを行っている「オムロンエキスパート」だった。2位には、中華料理の製造販売や中華レストランの経営で知られる銀座アスター食品がランクした。3、4、5位には、3年通期の1、2、3位のローソン、イオンビッグ、パソナテックが並んだ=下表2参照。
東洋大学ダイバーシティ研究グループは、同大が1916年に私立大学として初めて女子学生を受け入れたことを記念して経営陣や教員らにより発足。松原聡副学長がグループ代表を務めている。「女性活躍インデックス」は、毎年更新されるデータベースのデータを分析・検討、経年変化が明らかになることが大きな特徴の一つ。同グループでは、インデックスとランキングの公開で、企業の女性活躍に向けた対応の参考になることを期待している。
指標は、厚生労働省が構築している「女性の活躍推進企業データベース」を国内で初めて本格利用して算出。男女別の平均勤続年数、女性従業員の割合、管理職・役員に占める女性の割合、男女別の育休取得率などを抽出して、独自の「女性活躍インデックス算出式」を使い、弾き出した。
なお、最新の「法人ランキング2019」は、「女性の活躍推進企業データベース」で19年3月末に公表されたデータを利用。従業員1001人以上、そのうち女性従業員の比率が8割以下で、データベースの主要項目に回答している1215社を対象にした。2017年は910社、18年は1078社だった。