2019年9月1日、米国による中国への追加制裁関税第4弾が予定どおり、一部で始まった。猶予期間はなく、現在輸送中の製品も対象になるとされる。その一方で、両国の貿易摩擦の解消に向けた協議が月内に開催される見通しで、行き過ぎた警戒によるドル売り・円買いは後退したようにみえるが、もちろん楽観視できない。引き続き、米国の経済指標とトランプ米大統領には要注意!
どうなる? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場 買い材料に乏しく......
日経平均株価予想レンジ:2万500円~2万1100円
2019年8月30日(金)終値 2万704円37銭
今週の日経平均株価は、底固い動きとなりそうだ。
前週の日経平均株価は、トランプ米大統領の「中国とまもなく協議を開始する」との発言を受け、米中貿易摩擦の悪化懸念の後退したことで上昇した。
今週の日経平均株価は、リバウンドの動きが継続することが予想され、上値を試す可能性もあるが、積極的に買い上がる材料に乏しいことから上値も重そうだ。
半面、米中貿易摩擦の悪化懸念が後退していることで、底堅い動きが予想される。ただ、9月1日から米国の中国に対する追加関税第4弾が開始されることから、引き続き、神経質な展開となるだろう。特に、トランプ米大統領の発言には注意が必要だ。米中貿易摩擦の悪化懸念の後退により、為替相場ではドル高・円安の動きが進行し、日経平均株価の下支えとなっているが、依然として米国の追加利下げに対する観測は強く、ドル安・円高に振れやすい地合いが続いている。
週後半に発表される米国の経済指標には注意が必要だろう。注目材料は、今週予定されている日経平均株価の採用銘柄の定期入れ替え。
東京外国為替市場 上値は重そう
ドル・円予想レンジ:1ドル=105円00銭~107円00銭
2019年8月30日(金)終値 1ドル=106円29銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルの上値が重い展開が予想される。
前週のドル円相場は、一時1ドル=104円台半ばまで急速なドル安・円高が進んだものの、その後は米中貿易摩擦の悪化懸念の後退を受けて1ドル=106円台まで戻した。
今週のドル円相場は、米中貿易摩擦の悪化懸念の後退を受けてリスク回避のドル売り・円買いが弱まっているものの、上値の重い展開が予想される。9月1日から米国の中国に対する追加関税第4弾が開始されるため、引き続き、米中関係は不安定な状況が続くうえ、米国の追加緩和に対する観測が強く、リスク回避のドル売りが出やすい状況だ。
特に、6日発表の米国の8月雇用統計に対する関心は強く、注目材料だ。
経済指標は、国内では2日に4~6月期法人企業統計、8月の新車販売台数、3日に8月のマネタリーベース、6日に7月の家計調査と毎月勤労統計調査、景気動向指数などが予定されている。
米国では、3日に8月のISM製造業景況指数、4日に7月の貿易収支とベージュブック(米国地区連銀経済報告)、5日に8月のADP雇用統計、6日には8月の雇用統計などの発表が予定されている。
(鷲尾香一)