「アウター」と「インナー」を統合
「ダーザインブランディング」のプロジェクトリーダー、ADK MSの古村さんによると、このサービスは大阪の在宅医療専門クリニックをクライアントに、すでに実際の取り組みが始まっている。
このクリニックは2015年、がんの在宅医療に特化して開院。「最期は自宅で迎えたい」という末期患者のニーズに応えたもの。終末期ケアは、急な容態変化の可能性が高く、患者のもとに赴く看護師の役割が非常に重要。ところが医療の世界では医師が絶対的な地位を占めており、看護師の間では意見を控えたほうがよいという認識が優勢で、そうした中ではこのクリニックにも、院長が開院で目指した方向とは関係なく、従来の認識を持つ看護師が集まってしまう可能性があった。
古村さんらはまず内に向けて「看護師を主体としたフラットなチームによる在宅緩和ケア」というコンセプトを明確化。それをベースにウェブサイトをつくって対外的アピールに努めたものだが、この際、一般的にはクリニックのウェブサイトでは院長の「ごあいさつ」がフロントページに置かれるところを「看護師主体」を印象づけるため、主役を看護師に据えた。
これらが取り組みのすべてではないが、患者ファーストの立場からのチャレンジは医療業界には少なからず波紋を呼び、ケアを求める患者が増えたという。「ダーザインブランディング」の説明会が行われるのと前後して8月末に、関西ローカルのニュース番組で同クリニックのことが取り上げられた。
スコラ・コンサルトの辰巳代表によると「ダーザインブランディング」の今後5年間の取り扱い目標を「年間100社」と設定。1件について「1000万円~2000万円程度」の売り上げを見込んでいる。