降って湧いた儲け話に要注意! 相手から言ってくる話にロクなものはない

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   1年後に迫った東京五輪・パラリンピックの影響でしょうか、毎日のように不動産投資の案内があります。

「ここだけの話、オイシイ物件があるんですよ!」
「流動性が高くて利回りのいい物件があります!」

   しかし、不動産は景気の影響を受けやすいので、正しいシミュレーションが必要です。

「世界一やさしいアパート一棟不動産投資の実践帖1年生」(木村隆之著)ソーテック社
  • 東京湾岸エリアには多くのタワーマンションが建ち並ぶ
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第三者がオイシイ情報にありつけるほど甘くはない

   不動産投資だけに関わらず、ふっと飛びこんでくるような儲け話には要注意です。彼らは儲け話を売ることで儲けているからです。確実に儲かる物件があった場合、それが一般に出回ることは理論的に考えられません。第三者がオイシイ情報にありつけるほど甘くはないからです。

   本当にオイシイ物件があるなら、筆者なら他人には紹介せずに自分で購入するでしょう。だから、目利きの能力を鍛えなければいけません。

   本書の著者は、不動産歴25年、不動産投資歴15年のサラリーマン大家の木村隆之さんです。

   木村さんは「不動産投資でいうなら、電話営業をしている不動産業者、飛び込み営業をしている不動産業者に対して注意が必要」だと指摘します。

「悪徳業者は、上場企業のサラリーマンや公務員、もしくは医師といった『高属性のカモ』を狙っています。『今、御社の前にいます。老後の年金対策や将来設計でお役に立てるアパート投資を御社限定でご紹介しております。少しだけお時間いただけないでしょうか?』会社や携帯にこんな電話がかかってきたら要注意です」

   こんなケースもあるようです。

「医師の場合には医局に直接電話をしてきて、『〇〇先生はいらっしゃいますか?』と攻勢をかけてくるようです。ねらわれている理由は、銀行の融資評価がよく、不動産を買える属性だからです。上場企業の電話帳や役所の名簿も販売されているので、悪徳業者は片っ端から電話営業してきます」

   士業のような高属性の人が狙われる理由は明白です。経済的に恵まれ、生活面でも充実しているからです。その分仕事が忙しく、なかなか投資などに目を向けられない人がほとんどです。

   とはいえ、誰しも漠然と将来の不安を抱いているもの。そこに「巧妙な勧誘」を仕掛けていきます。どうにかして不動産を所有したいという欲求に付け入るのです。

目利きの能力を鍛えましょう

   数か月前に国土交通省から是正勧告を受けた大手不動産会社がありました。じつは数年前、ある案件でこの会社の営業マンと対峙したことがあります。

   提案書には、将来的に建物を売却したり、新たに建て直したり、などさまざまな選択肢やメリットが提示されていました。提案書だけを見ればまったくノーリスクに見えてしまう内容です。

   ところが、木造にも関わらず坪単価が100万円近かったのです。鉄筋コンクリートで100万円程度ですから、一瞬、目を疑いました。さらに1部屋でも空きが出たら即赤字になるシミュレーション。アパート経営をしたことがあればわかりますが、退去後のメンテナンスには相応の費用が必要です。永続的に入居率が100%ということも考えられないからです。

   さて、世間には不動産のカリスマと呼ばれる人たちがいます。「新築のアパートを建てたい人を応援します。私が土地を見つけてくるので、その土地を購入して、紹介した業者を使いアパートを建設します。あとは、うまく利回りができるように運営するだけです。超簡単ですよね?」。こんな具合に契約を勧めます。最後は、高利の負債だけが残ります。

   最近はオリンピックの影響で、湾岸エリアは建設ラッシュでしたが、供給過剰になりつつあります。供給過剰になれば、売れ残る物件が発生します。売れ残った物件が投げ売りされたら、さらなる価格の下落を引き起こすでしょう。

   不動産投資に正解はありませんが、一般の人は入手できる情報に限界が生じます。リスクを軽減するには、質の高い情報を入手することが必要です。(尾藤克之)

尾藤 克之(びとう・かつゆき)
尾藤 克之(びとう・かつゆき)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。著書は『最後まで読みたくなる最強の文章術』(ソシム)など19冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も連載中。
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