三井不動産が2004年から進めている日本橋(東京都中央区)の再生計画が、新たな段階である第3ステージに入る。日本橋川に沿って商業施設などが整備され「親水空間」が開発される。2019年8月29日に発表した。
「日本橋再生計画」は2014年から第2ステージの開発が進められており、19年3月に、情報発信拠点と位置付けられた「日本橋室町三井タワー」が竣工。9月に低層階の商業施設「COREDO室町テラス」がオープンするが、それを境に第3ステージに進むという。
高速道路地下化と合わせ
新ステージの対象は「旧日本橋区」のエリア。「日本橋室町」のように「日本橋」が冠される21の町と中央区八重洲1丁目を合わせた地域で、三井不動産ではこのエリアを「GREATER(グレーター)日本橋」として開発にあたる。
旧日本橋区は1947年に旧京橋区と合併して中央区になった。
計画では日本橋川沿いに、敷地面積約6万6000平方メートルを使って商業施設やオフィス、広場などの再開発を予定。延べ床面積約122万3000平方メートルに及ぶ広大な親水空間がつくられる。同社が手がけた「東京ミッドタウン」(東京都港区赤坂)の延べ床面積が約56万4000平方メートル。日本橋の新施設はその2倍以上の規模だ。
日本橋川はほぼ全流路にわたり首都高速道路5号線の高架がその上を通っている。この川にかかる「日本橋」もその下だ。新たな日本橋再生計画は、高速道路の地下化計画と合わせて進められる。地下化計画では、日本橋周辺の約1.2キロメートルの高速道路を地下トンネルにする。2020年の東京五輪・パラリンピック後に着工。完成までに10~20年かかるとみられている。