【日韓経済戦争】「打倒日本!」に強力な助っ人 半導体素材国産化に成功した韓国核融合研の実力は?

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   日本の輸出規制強化が始まってから約2か月、韓国では規制の標的にされた半導体素材を中心に国をあげて「国産化」の動きが高まっているが、日本企業にとって衝撃的はニュースが飛び込んできた。

   韓国が日本に100%依存してきた半導体素材の開発に成功したというのだ。しかも、日本製品より優秀な品質だという。

  • 「国産化に協力したい」と語る国家核融合研究所のホン・ヨンチョル博士(中央日報8月29日付より)
    「国産化に協力したい」と語る国家核融合研究所のホン・ヨンチョル博士(中央日報8月29日付より)
  • 「国産化に協力したい」と語る国家核融合研究所のホン・ヨンチョル博士(中央日報8月29日付より)

日本への依存度100%だったのに「日本製より優秀」とは

   朝鮮日報(2019年8月29日付)「日本から全量輸入していた半導体コーティング素材を国産化 核融合研、国内の中小企業に技術移転協業」が、こう伝える。

「国家核融合研究所(核融合研)は8月29日、国内の中小企業との協力を通じ、日本への輸入依存度が100%だった半導体コーティング素材を国産化したと発表した。国内の中小企業、セウォンハードフェイシングが2017年に核融合研から移転されたプラズマ技術を利用し『酸化イットリウム』を開発したのだ」

   酸化イットリウムは、レアアース(希土類元素)の一種であるイットリウムの酸化物。半導体工程の設備には不可欠な素材だ。

   半導体や電子製品などは粉末状態の酸化イットリウムを部品の表面に噴射し、コーティング膜で覆って耐久性を高めている。粉末は微細であるほど効果が大きいが、韓国内で生産された酸化イットリウムは日本のものより粒子が大きく、細かく緻密なコーティング膜を作るのが困難だという問題があった。そのため韓国の半導体企業は日本製の酸化イットリウムを全量輸入してきた。

   ところが今回、日本製品より優れた素材の開発に成功したというのだ。

「セウォンハードフェイシングが核融合研のプラズマ技術を利用して開発した今回の素材は、粒子が日本より小さく、コーティング膜を均一にできるという特性を持っている。日本製の場合、粒子は35マイクロメートル(編集部注:1マイクロメートルは100万分の1メートル)だが、国内開発の粒子は20マイクロメートルだ」

核融合研究では世界トップ技術「総力をあげて協力」

   じつは、韓国の国家核融合研究所は核融合研究では世界のトップを走る高い技術を誇っている。今年(2019年)2月、「KSTAR」と呼ばれる同研究所の「人工太陽」が世界で初めて1億度以上を達成することに成功。「夢の未来エネルギーに一歩近づいた」と世界中に報じられた。その1億度以上の超高温プラズマを生みだした技術を使っているのだから、日本の一企業がつくる酸化イットリウムより優れたものができるのは無理もないかもしれない。

   核融合研のユ・ソクチェ所長は「プラズマ技術は半導体工程の約80%を占める核心技術の一つだ。国内企業の半導体設備および素材の国産化に向け、当研究所が保有するプラズマ技術の支援をより積極的に推進したい」と話した。また、同研究所のホン・ヨンチョル博士も中央日報の取材に対し、こう語っている。

「プラズマ技術は半導体工程でなくとも、幅広く素材産業に活用できる。プラズマ技術を活用した素材技術の国産化の研究を続けていく計画だ」

   半導体に限らず、これまで日本に依存してきたさまざまな素材の国産化に、核融合研の総力をあげて協力していくというのである。

(福田和郎)

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