「英米のトランプ」から学ぶ「ひとひねり」した言いまわし
G7サミットでは、英国の欧州連合(EU)離脱、米中貿易摩擦やアマゾンの熱帯雨林火災、イラン問題など、幅広い話題において各国間の駆け引きが繰り広げられました。なかでも私が感心したのは、「英米のトランプ」こと、トランプ米大統領とジョンソン英首相の応酬です。ひとひねりした言いまわしの一部を拾ってみると......。
中国との貿易摩擦に関して、矢面に立たされたトランプ米大統領。盟友とされるジョンソン英首相でさえ、こう苦言を呈したそうです。
British Prime Minster Boris Johnson suggested a 「dialing down」 of the tensions with Beijing.
(ボリス・ジョンソン英首相が、北京との緊張を「トーンダウンしたほうがいい」と提言した)
dialing down:トーンダウンする
なるほど、「トーンダウンしろ」というニュアンスで「dial down」を使うのですね。勉強になりました。
一方、EU離脱問題では、強硬姿勢を貫いて孤立するジョンソン英首相に対して、トランプ米大統領がエールをおくったと報じられました。
UK is losing the 'anchor round its ankle'
(英国は、足かせがなくなるぞ!)
EUという「足かせ」を外して、「早く自由の身になれ!」と、離脱をけしかけるトランプ米大統領。それでも、「自由になったあかつきには、米英間で自由に貿易しよう!」という甘い誘いには、ジョンソン英首相はクールに対応したとか。
表舞台よりもよほど面白く、英語の勉強にもなった、G7サミットの「behind the scenes」(舞台裏)でした。(井津川倫子)