日本型雇用が機能不全「憂慮すべき」
日本は「起業・独立志向」でも最低。「会社を辞めて独立・起業したいか」と聞いたところ、「とてもそう思う」(4.8%)「ややそう思う」(10.7%)を合わせて15.5%だったが、シンガポールを除く東南アジア、インドや中国では「起業・独立志向」は4割を超える。
韓国、台湾、香港などでも3割に近い人たちが「起業・独立志向」を示した。
今回の調査の結果について、パーソル総合研究所の取締役副社長兼シンクタンク本部長の櫻井功さんは、グローバル化のなかで日本型雇用が機能不全になっている可能性を指摘。「国際競争力の低下という観点から極めて憂慮すべきもの」とコメント。「このままいけば日本の産業のさらなる地盤沈下は避けられず、改革を進めなければならない」と述べている。
なお、調査は2019年2月6日~3月8日までに、調査モニターを対象にインターネット定量調査として実施。その国・地域に3年以上在住し就業している20~69歳の男女が対象。各国・地域とも1000サンプルを性別、年齢別に均等割付した。
調査対象は。日本の3地域(東京、大阪、愛知)と、中国3地域(北京、上海、広州)、香港、韓国(ソウル)、台湾(台北)、タイ(バンコク)、フィリピン(マニラ)、インドネシア(ジャカルタ)、マレーシア(クアラルンプール)、シンガポール、ベトナム(ハノイ、ホーチミン)、インド(デリー、ムンバイ)、オーストラリア(シドニー、メルボルン)、ニュージーランドの14の国と地域。
日本の3都市については、19年2月にインターネットを使って実施した「働く1万人の就業・成長定点調査2019」から、条件に合う1000サンプルを抽出した。