「本業に満足」している人ほど「副業」に意欲

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   政府が「働き方改革」の一環として、副業・兼業を推進する体制づくりを進めるなか、副業を希望する人が少なくない一方で企業側の環境整備が追いついていないことが、人材サービス会社のエン・ジャパン(東京都新宿区)の調べでわかった。

   調査によると、回答者の41%は「副業」を希望している一方、勤務先企業の副業容認割合は23%にとどまっていた。

  • 「副業」はしたいけど…
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企業側の環境整備が追いつかず

   調査では「現在、副業を希望しているか?」の問いに、18%が「希望している」と回答。「どちらかといえば希望している」(23%)と合わせ、41%が「希望」派だった。

   また、「仕事満足度」を聞いているが、満足度が「高い」人たちでは53%(希望=24%、どちらかといえば=29%)が、「希望」派であるのに対して、満足度が「低い」と答えた人たちの「希望」派の割合は37%(同=17%、同=20%)だった=下図参照

   副業をめぐっては、政府の規制改革推進会議が19年6月にまとめた経済活性化に向けた規制緩和策の答申で、兼業とともに推進するためのルール見直しなどを提言。政府は「働き方改革」の一つとして、副業・兼業を推進する体制づくりに乗り出している。

   アンケートで「現在就業している会社で、副業は認められているか?」と聞いたところ、23%が「認められている」と回答。副業の推進や促進が言われているが、「企業側の環境整備が追いついておらず、浸透していないのが実態のよう」と、エン・ジャパンはみている。

副収入、人間関係や知見・視野の拡大...... 副業して「よかった」

   副業希望者の希望する理由は、仕事の満足度にかかわらず「収入を増やしたい」が88%で最多。仕事の満足度が高い人では「知見・視野を広げたい」(25%)「キャリアを広げたい」(25%)、低い人では「知見・視野を広げたい」(22%)「スキルアップを図りたい」(25%)「趣味・生きがいを見つけた」(22%)という回答が目立った。

   副業経験があるかどうかを聞くと、32%が「あり」と回答。副業を経験して「よかったこと」の1位は「副収入」で、79%が回答。また「人間関係が広がった」(28%)「知見・視野が広がった」(24%)などを理由にあげる人も少なくなかった。

   一方、副業経験がない人に、副業するうえで不安に感じることを聞いたところ、「手続きや税金の処理が面倒」が52%、「本業に支障が出そう」は46%、「過重労働で体調を崩しそう」の41%などの項目が上位を占めた。

   副業でウェブライターを務めた31歳女性から「睡眠不足」で寝坊し本業で遅刻をしたことや、繁忙期の飲食店で副業経験がある26歳女性からは「本業の後に明け方まで働いたときは倒れるかと思った」などの経験談が寄せられた。

   なお、調査は2019年6月26日~7月28日に、転職支援サービスのウェブサイト「エン転職」の利用者を対象に実施。1万207人から有効回答を得た。8月22日の発表。

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