「良きにはからえ」は日本軍と同じダメ経営者
ダメな二代目、三代目経営者に見られる代表的なタイプのひとつに、創業者や先代が築き上げてきた実績にあぐらをかき「良きにはからえ」とあらゆる判断を現場任せにする、とういうものがあります。
これは先の日本軍と同じトップのリーダーシップ不在状態であり、結果的に組織内のセクショナリズムが助長され部門間意思疎通不在に陥って、会社自体をおかしくしてしまう経営者です。ガダルカナル戦における日本軍の話は、このような部門間意思疎通不在が最終的には致命的な敗戦につながることを教えてくれています。
二代目、三代目経営者に限らず、たとえば社内の「製造」と「営業」といった中核部門がうまく折り合わず、非協力的であったり、いがみ合ったりして少なからず企業業績の足を引っ張るようなケースは、企業の大小を問わずに多く見受けられる話でもあります。
日本軍の失敗に学ぶならば、このようなケースでは真っ先にトップのリーダーシップの欠如を疑うべきでしょう。
すなわち、もし自社内の部門間に不協和音が感じられるなら、それは経営者自身の責任であり、早期にリーダーシップを発揮しないと自社は「敗戦」に向かう危機に陥るかもしれない。そんな危機感を持って経営者が早期に対処するべき重い病いなのです。(大関暁夫)