多くの人が一度は聞いたことがあるユーチューバー、「はじめしゃちょー(hajime)」や「HikakinTV」が所属している、東証マザーズ上場の「UUUM株式会社」を選んだ。
ショッピングサイト事業や、成長著しく「旬」なYoutuber(ユーチューバー)のマネジメント事業などを手がける。企業が夏の決算期を迎えていることで、今回は決算書を分析していきたいと考え、UUUMの「中身」をみた。
売り上げ構成の中身をみると......
【UUUM(3990)】
2019年7月31日現在、売買の判断が難しく購入は見合わせ
年初来高値(2019年2月14日) 6870円
年初来安値(2019年6月7日) 2780円
7月31日現在 5190円
「UUUM」はユーチューバーの事務所ということもあって、その収入源にはグーグルからのアドセンス収益が、すぐ思い浮かぶかもしれない。しかし、実際に事業別売上高を確認すると、徐々に変化が起きていることがわかる。
下図では、その変化を示した。
決算資料を見ると、グーグルからのアドセンス収益の伸びは、売上高の伸びと比べると、足元では若干鈍いように感じる。
特に2019年5月期4Q(3月~5月期)は、グーグル・アドセンス以外の売り上げが、前年と比べて59%アップと非常に強い伸びをしている。これは、企業とのタイアップ案件が拡大していることや、人気ユーチューバーたちのグッズやイベントなどの売り上げの貢献が大きい。
しかし、これら「アドセンス以外」の収益は、アドセンスの収益と比べると利益率が若干低い可能性がある。
上図から、売上高は順調に推移していることがわかるが、その売上高の構成には、わずかながら変化が起きていた。
その証拠に、アドセンス以外の収益が大きく伸びた2019年5月期の決算資料をみると、販管費が粗利益よりも伸びが大きいことがわかる=下表「4Q業績ハイライト」参照。
これは、所属するユーチューバー(クリエイター)のグッズやイベント、企業とのタイアップ企画による収益が、アドセンス収益よりも利益率が低いことを示している。
今後は次の決算に注目!
わずかに利益率が低くなっているUUUMではあるが、利益率の高いアドセンス収益に大きく関係があるのが、動画の再生回数だ=下図参照。
この図をみると、2019年2Q~4Q(18年9月~19年5月期)の再生回数はあまり伸びておらず、頭打ち感がある。
ところが例年の傾向をみると、Q1(2018年6~8月期)は毎回、全四半期から大きく伸びていることが多いのだ。これはUUUMの1Qは6月、7月、8月で夏休みがあるため、ユーチューバーの主たる視聴者層である学生が、ふだんよりも多く動画を見るためだと予想できる。
このように、直近では再生回数に頭打ち感があるものの、2019年Q1(18年6~8月期)では毎回いい結果が出ているので、次の決算には期待したいと思う。
逆にQ1での再生回数の伸びが低かった場合には、注意が必要かもしれない。
このようにUUUMは、次の決算までは今の株価水準での売買判断は難しいと考えた。ただ、成長性が見込める企業であることに変わりないため、市場全体の下落などによって、株価が大きく下落した場合、たとえば1株あたり4400円ぐらいになったら、前向きに「買い」を検討したい。
【株式取引ルール】
・月200万円を上限に最低1銘柄(企業)を選ぶ、バーチャル投資です。
・投資対象は、新興市場を含む上場企業の現物取引です。
・1年間のトータルで損益を競います。
Twitter:@KISHU_KGU