世界的な政情不安がドル円相場を揺らしている。トランプ米大統領が9月に予定していた中国との会合について「中止の可能性がある」と発言したことや、イタリアやアルゼンチンの政局不安、香港の大規模デモ、日韓経済摩擦などが不安視され、ドル円相場は1月3日以来の安値、1ドル=105円05銭まで下落した。
その後の14日には、10年もの米国債と2年もの米国債の利回りが、逆転(逆イールド)したことを受けて米国株や米国金利が下落。ドル円も1ドル=105円65銭まで、ジリジリと軟調に推移した。前週に「痛い目」にあった早稲田大学は「謹慎」を宣言。8月5日週に大きな成果を上げた明治大学は、今週は静観。「勝って兜の緒を締めよ」といったところ。一橋大学はトランプ相場にイライラ。國學院大学も、荒れる相場に静観。慶応義塾大学は夏休みのため、取引を見送った。
今週は「謹慎」しました(早稲田大)
8月16日(金)
さて、前週に大損を被ってしまったので、いわば謹慎という形で今週は相場の流れを追うに徹することを自らに課した。
過去、何度もこの連載でFXの難しさを書いたと思うが、結局のところ自分のFXに対する投資時間が少なすぎるがゆえのこの結果なのかもしれないと思い至っている。
株式に資産を投じるときは、もちろん全体の景気状況からその銘柄について少なくとも自分が十分理解できたと思える水準まで知識を吸収しようとしていたが、FXについてはその対象が定まらないがために、場の流れに乗って資金を動かしていたように思える。
もちろん、相場の勢いに乗ることは決して悪いことではないと思うが、場当たりてきな行動に身を任せるときはある。一定の秩序のもとで、行動せねばならないと身をもって痛感している。
ただ、今回でFXなど自分の知識が明らかに欠如しているようなフィールドで資金を増やそうとする際の自分の行動特性が少し明らかにされたような気がする。
今回だけでなく過去にも数千円単位の損失を被ったことがあるが、その時も当初は少ない利幅をとることを目的にポジションを持っていた。実際にその目論見は場の勢いもあってトータルで見ると成功するのだが、その後気を大きくしてしまい損切りラインを著しく引き下げてしまう。
この自分の行動特性を、今度こそは胸に刻みたい。今週はトレードなし。資産変わらずだ。
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
8月16日現在 5603円
運よく助かった 前々週のポジションが大きく好転(明治大)
8月5日(月)
前週戻し狙いで売ったポジションが、トランプ米大統領が中国を「為替操作国」に認定したことで円高になるという追い風が吹き、急激に下落し1ドル=106.570円で利益を確定。1ドル=108.90円で売りポジションを持っていたので、2323円のプラス。
8月6日(火)
ひとしきり下落したので、反発目線で1ドル=105.5円をとりあえずのサポートライン(下値支持線。相場が一定の水準を維持し、それ以上は下落しないと思われる水準をいう)して引き、1ドル=106.07円で買いポジションを持った。1ドル=106.5円が心理的に壁になりそうだと思ったので、その前の1ドル=106.47円で決済した。
前週、指標のときに動いて痛い目を見て大きく損失を出してしまったが、これにより前週の損失も吹き飛ぶくらいプラスを確保できた。完全にトランプ米大統領に助けられた。うれしい反面プラスを増やすために博打を打ちすぎているので、しっかりと実力でプラスを増やしていきたい。
反省する面もあるが、やはり急激にチャートが動いたときの反発狙いが上手くプラスに繋がっているのでこれからも積極的に狙っていく。反発しなくても反発点から少し離れたところを損切りラインに設定すれば、リスクも低いのでその観点から見ても狙っていきたい。前週から、プラス2723円。
8月9日現在で2万2594円。
8月13日(火)
前週は1万円台に戻ったのをドル円が急落したことで勢いを取り戻したが、前週急落したことや夏期休暇、主だった指標がないため、今週は市場も大きく動かないと思うのでプラスを増やそうと焦って指標に手を出して失敗したことを踏まえ、今までに失敗したこと、うまくいった今までの取引を踏まえ振り返る。
まず、失敗したことといえば前々週のようにどっちに動くかわかにくい指標などのときに取引を行うこと。そして、機会損失だろう。ある程度プラスを稼げるとそこで満足してしまうことが多く、まだ動く局面でも引いてしまうので追撃していく必要がある。
うまくいたことは、サポートラインとレジスタンスライン(上値抵抗線。相場がその水準よりも上昇しないと思われる水準のこと)のどちらかのライン付近までドル円が来たときに反発あるいはブレイクを狙った取引が、損失も少なくうまくいってきたように感じる。また、急激に動いた後の反発も同様にローリスクでポジションを持てる。
少し振り返ったがレンジ相場のときもプラスを稼げたが、うまくいったときと比べると効率がぜんぜん違う。ずっとチャートとにらめっこできるわけではないので、こうしてうまくいった場面のときに集中して取引するのが賢いだろう。
結果としては相場が動いているときにはより積極的に動かないときは力を入れすぎないようにしていきたい。
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
8月16日現在 2万2594円
夏休みを満喫! 今週の取引はお休みです(慶応義塾大)
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
8月16日現在 2万2594円
トランプ米大統領の政治パフォーマンスにウンザリ(一橋大)
8月13日(火)
米中貿易戦争の煽りをうけて105円台前半まで下落してきた。個人的に株式投資のほうでも最近は手痛くやられているのでなんとか挽回したいところだが......。
このままだと、明日には104円台に突入しそうな予感。
8月14日(水)
米国が関税第4弾の一部品目を、12月まで先送りするとの発表に合わせてドル円相場は1ドル=107円台まで一気に買い戻された。「追加関税をかけるぞ! → やっぱりやめます」「今度は消費財にも追加関税をかけるぞ! → 延期します」。こんな突発的なトランプ米大統領の政治パフォーマンスで市場が動かされるのは本当にウンザリだ。
8月15日(木)
一たん1ドル=105円台中盤で落ち着いたか。大幅な値下げをした米国株式市場につられて今度はリスクオンからの急激なリスクオフ。この2日間はとにかく激しすぎて情報を追うだけで手一杯。もうこの流れに入っていくことは考えていないし、入ったところで大けがをするだけだ。
今回の大幅な下げがFRB(米連邦準備制度理事会)の今後の利下げプランの変更に影響すると考えると、複雑すぎてもうお手上げ状態。
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
8月16日現在 1万4746円
取引のチャンスが多かったが......(國學院大)
今週のドル円相場は8月12日(月)の始値が、1ドル=105円50銭台で始まり、翌日の13日(火)に大きく上昇して、高値が106円90銭台後半となったが、その翌日の14日(水)の終値は105円80銭台と大きく下落。16日(金)の終値は106円30銭台と回復を見せた。
このように今週は相場が上下した週だったので、取引のチャンスが多かった週だったが、取引できなかったので残念である。
では、今週のドル円の動きを、ファンダメンタルズ分析を中心に振り返ってみたい。13日の円安ドル高の要因は、トランプ政権が9月からの対中追加関税を一部延期と発表したことで、米通商代表部が9月1日に発動予定の中国製品に対する10%の追加関税のうち、ノートパソコンや携帯電話など一部製品への発動を延期したことが要因の一つであると考えられる。
14日の円高ドル安の要因は、トランプ米大統領は関税発動延期の理由を、クリスマス商戦で一部関税の影響が米消費者に及ばないようするためと説明したことで、結局は米国に都合のいいようにしただけだと判断され、問題が変わっていないとされたのが要因の一つであると考える。
16日に円安ドル高傾向になった要因は、米長期金利の持ち直しや小幅な株高が要因だろう。来週の23日には、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長の講演がある予定なので発言に注目したい!
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
8月16日現在 3万1074円