韓国国会は「日本式法律用語」撲滅ができるのか?
経済界の「日本式からの脱却」は理解できるが、一方、政界の方は不可解だ。中央日報(8月19日付)「『日本式表現捨てよう』...... 文喜相議長、法律用語213個の改正要求」は理解しがたい動きを紹介している。
「韓国の文喜相(ムン・ヒサン)国会議長は8月19日、日本式表現や難しい漢字語など一部の法律用語を改正するよう求める意見書を、国会運営委員会を含めた10の常任委に伝達した。文議長は意見書で『国会が立法機関として与えられた責務に忠実になるためには、日本式用語など難しい法律用語を持続的に改正していかなければならない』と明らかにした」
そして、「法律を明確な用語で表現し、一般国民ならば誰でもその内容を簡単に理解して、法をしっかり守れるように努力しなければならない」と強調。「表現の純化」を進める内容は相当数あるが、とりあえず具体的に213個の「日本式法律用語」を選定し、変えていくという。
この記事の読者意見投稿欄には「日本由来の用語を変えたら、法律全部を変えなくてならなくなる。ズブズブになるよ」という心配が付いていた。確かに、韓国で使われている「法律用語」や「経済用語」には、基本用語からして日本から入ってきたものが非常に多い。金光林・新潟産業大学教授の論文「近現代の中国語、韓国・朝鮮語における日本語の影響」(同大学人文学部紀要第17号・2005年8月)によると、次の言葉などがそうだ。
議会、議員、自治、自由、民主、政党、投票、官庁、否決、法廷、判決、自白、財政、有価証券、会社、株式、給料、勤務、輸出、輸入、出荷、料金、労賃、請負、契約、差押、品切、組合、貸切、特許、受付、見習......。
ほかにも、過労死、宅配、日照権、蒸発、団地、医師、生徒、運転、映画...... など枚挙にいとまがない。記事では、213個の用語が何かを明らかにしていないが、大変な作業になりそうだ。
(福田和郎)