2.5倍ペースで急成長していた「たばこ」も大打撃
不買運動はたばこにも飛び火した。聯合ニュース(8月20日付)「JTたばこの輸入量減少 不買運動の影響か」がこう伝える。
「日本製品の不買運動が、日本ブランドのたばこにも及んでいる。韓国関税庁の輸出入貿易統計によると、7月にフィリピンから韓国に輸入された紙巻きたばこは、前月比7.3%減少した。フィリピンから輸入するたばこは、ほぼ全量がJTインターナショナル(JTI)製と見なすことができる。同社は『メビウス』『キャメル』などを販売する日本たばこ産業(JT)の海外たばこ事業を担っており、韓国で販売するたばこをフィリピンで生産している」
韓国のたばこ小売では、JTIはほぼ10%台を占め、4番目の消費量を誇っている。特に最近は、2017年に2085トン、2018年は4974トンと2.5倍のペースで急成長していた。それが、突然ブレーキがかかった形だ。JTIコリアは7月に予定していた加熱式たばこの新製品発売イベントを「内部の事情」を理由に延期した。JTIコリアは、聯合ニュースの取材に「(不買運動が)関連があるかどうかは言いにくい」と口を濁した。下手なことを話すと、ユニクロの二の舞になるのを恐れているのだ。
日本への旅行客も激減している。その煽りを受けたのが韓国の航空業界だ。聯合ニュース(8月20日付)「大韓航空が日本路線を大幅削減へ 需要減少受け」が伝えている。
「韓国航空大手の大韓航空は8月20日、韓日関係の冷え込みによる日本路線の需要減少を踏まえ、一部路線の供給を調整すると発表した。日本路線を大幅に減らし、東南アジアや中国路線を増やす計画だ。韓国と日本を結ぶ路線について、同社は9月から、週14往復運航する釜山―大阪線の運休に入る。11月からは、週3往復運航する済州―成田線と週4往復の済州―大阪線も運航を休止する」
また、週3往復運航する仁川(ソウル)―小松線と仁川―鹿児島線、週5往復の仁川―旭川線も9月から一時的に運航を取りやめる。減便する路線も多い。仁川―大阪線、仁川―福岡線、仁川―沖縄線、釜山―成田線、釜山―福岡線をそれぞれ6割~5割減らす計画だ。こうして日本路線の削減で生じた供給力をフィリピンやベトナム、タイ、インドネシア、中国路線に振り向ける。韓国からの訪日客に頼ってきた日本各地の観光関連業者が受ける打撃も、「想定されない」と安倍内閣は言うのだろうか。