日本はドバイを見習え! 人口の6倍が訪れる砂漠の街のインバウンド(気になるビジネス本)

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空港の「圧倒的ハブ化」

   「世界一の高層ビル」「世界最大のショッピングモール」「世界最大の人工島」「世界最高の7つ星ホテル」など現代のドバイは、世界に名だたる観光資源をそなえる。だが、もともとは砂漠なだけに、年間の半分は最高気温が35度を超える厳しい気候や、食事や飲酒に制限があるイスラム文化圏であることを考えると、環境的には観光で「成長」を考えたことが不思議なくらいだ。

   「ドバイの特徴は、明確なリーダーシップの下、一貫した観光戦略をもって観光資源を構築しマーケティング努力を継続してきたこと」。たとえば、ドバイのインバウンド最重要国はインドなのだが、その対策のためドバイでは、観光部門のシニア・マネジャーとしてインド人を採用。また、インド映画のテーマパーク、ボリウッド・パークを設けたり、インドで人気ナンバーワンのクリケット選手をプロモーションに起用するなど、インド人客誘致にぬかりがない。

   もちろん、インドばかりを重視しているのではない。観光立国のためにはさまざまな国の人の流れを活発にすることが必要だ。そのために考えたのが「エアキャリアの圧倒的なハブになること」。「圧倒的」がミソだ。中途半端ではいけない。ライバルが現れたときにすぐに抜かれてしまう可能性がある。

   どうすれば圧倒的なハブになれるか。トップダウンで打ち出したのが「世界の航空産業の中核」。各国の空港は旅行客のケアはするが、航空機のケアについては重視していなことに注目。航空機の修理には大別して12分野あるのだが世界の空港には5分野以上カバーしているところがなかったのだ。そこで、航空機修理をワンストップで包括的に提供する戦略を打ち立てた。

   人材を集めてトレーニングセンターを構築。エアバス系、ボーイング系に分けて米英の大学などと技術提携を交わし、航空大手の整備拠点をドバイに呼び込んだ。また独自に長期間スペアパーツの保管に努め、また、パイロットの健康を管理する病院を設けた。故障機や中古機のオークションも開設した。

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