その95 東京五輪の金メダル「獲得目標」 「こんなものいらない!?」(岩城元)

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「メダル至上主義」は健全とは言えない

   五輪で金メダルを獲得した選手やチームは立派だと思う。そして、その栄誉は選手個人やチームに与えられるべきもので、JOCや政府の栄誉ではないはずだ。それなのに、「上から目線」で金メダルの獲得目標を示すなんて、僕はどこかおかしいと思う。

   また、金メダル、金メダル......と叫ぶことで、銀メダルや銅メダルの価値を必要以上に下げてしまわないだろうか。金メダルを期待された選手個人やチームが、たとえ銀メダルや銅メダルに終わったとしても、世界の2位であり、3位である。それはすごいことである。8位入賞でもたいしたものである。

   五輪と言えば、何よりもすぐメダル、それももっぱら金メダルの獲得に関心が集まる――そんな「メダル至上主義」は決して健全とは言えない。もっとおおらかな気持ちでスポーツ自体を楽しみたいものである。(岩城元)

岩城 元(いわき・はじむ)
岩城 元(いわき・はじむ)
1940年大阪府生まれ。京都大学卒業後、1963年から2000年まで朝日新聞社勤務。主として経済記者。2001年から14年まで中国に滞在。ハルビン理工大学、広西師範大学や、自分でつくった塾で日本語を教える。現在、無職。唯一の肩書は「一般社団法人 健康・長寿国際交流協会 理事」
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