中国人は仮想通貨をどこで買うのか?
さて、せっせとビットコインを売買していた中国人ですが、2017年に入ると突然状況が変わります。年明け早々に中国当局が仮想通貨取引所に待ったをかけ、運営を停止させたのです。
2016年に大きく資産が流出しており、これがビットコインの影響だということが気づいたのでしょう。その後、5月から取引の再開が始まりましたが、ICO詐欺(取引所の上場前に独自の仮想通貨を販売するプレセールであるICOを騙る詐欺)も横行し、中国での仮想通貨はかつてのシャドーバンキングや理財商品(高利回りの資産運用商品)のような状態になっていました。
そういった影響からか、2017年9月に再び規制が入り、10月末には中国の仮想通貨取引所は営業を停止することになりました。
ところで、中国人は今どこで仮想通貨を売買しているのでしょうか――。香港を除き、中国では仮想通貨取引所はありません。
答えは、コミュニケーションアプリである「ウィチャット」や決済サービスである「アリペイ」を利用しているそうです。
わかりやすく例えると、「LINEでビットコインを100万円で買いたいけど、売ってくれる人はいますか?」とコメントして、売ってくれる人にLINEペイで日本円を送金するというイメージ。つまりは、個人間取引で買えるということなのです。
そうやって、いわば「自前」の取引所を完成させているらしく、売り手と買い手はかなりの数にのぼり、日本の仮想通貨取引所も顔負けの取引高を誇っているとみられます。