日本企業の約7割が、海外留学や就業経験者の採用に前向きな姿勢を示していることが、英人材紹介・人材派遣大手ヘイズの日本法人、ヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパン(東京都港区)の調査でわかった。
日本などのアジア各国と地域で、企業のグローバル人材採用などの動向を調査し、その報告書をまとめた。2019年8月14日の発表。
「語学力やコミュニケーションスキル」が魅力
報告書によると、回答した日本企業の過半数が今後、海外で学んだ帰国子女や就業の経験を積んだ帰国者の採用を希望。「今後1年間に積極的に採用する意向はあるか」については、67%が「ある」と回答した。
その理由として、79%と最も多くがチェックしたのが「語学力やコミュニケーションスキル」。そして「異文化に対する理解力」(67%)、「ビジネスに関する異なる視点」(58%)などが続いており、海外帰国者を採用することでグローバル化に対応した多様化を期待しているようだ。
海外帰国者の採用実績がある企業に「満足度」を聞いたところ、35%が「満足」と回答。「非常に満足」の21%と合わせると、「満足度」は50%以上。一方で「不満足」「非常に不満足」は、合わせて1%だった。
調査結果についてヘイズ・ジャパンのマネージング・ディレクター、リチャード・アードレイ氏は「日本は未曽有の人材不足にあり、企業の成長を推進していくうえで欠かせない人材を国内で採用できる見通しがますます狭まっている。そのため、さまざまな価値を会社にもたらしてくれる海外からの帰国者に目が向けられるようになっている」と分析している。
英ヘイズは、グローバルなペシャリスト人材のサービスを行う人材紹介会社。世界34か国と地域に展開している。
なお、調査は日本のほか、ヘイズが事業拠点を置いている中国、マレーシア、シンガポール、香港で実施。対象は、企業の採用関係者と就職希望者で、計2185人が回答を寄せた。このうち日本の関係者は182人だった。