女性管理職比率、わずかながらも連続アップ 中小企業は研修が課題

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   企業の女性管理職の割合はいまだ低水準にとどまるものの、漸増を続けている。

   企業調査の帝国データバンクが全国の約1万社から回答を得た「女性登用に対する企業の意識調査」によると、女性管理職の割合は平均7.7%と前年比0.5ポイント上昇。「30%以上」とする企業は7.1%で、こちらは同0.3ポイントアップとなり、いずれも緩やかな上昇を示した。この調査は今回が7回目。女性管理職の割合は毎年わずかずつながら数字を伸ばしている。

  • 企業の女性管理職の割合、ジワリ上昇しているものの……
    企業の女性管理職の割合、ジワリ上昇しているものの……
  • 企業の女性管理職の割合、ジワリ上昇しているものの……

女性管理職「ゼロ」企業は46.7%を占める

   「女性登用に対する企業の意識調査」は2019年7月18日から31日までに、全国2万3650社を対象に実施。このうち1万91社から有効回答を得た。回答率は42.7%。2019年8月15日の発表。帝国データバンクでは、2013年から毎年7月に調査している。

   「女性活躍」は安倍政権が重要課題として取り組みを続けている。その成果が、調査結果によると、女性従業員割合は平均25.2%と前年比0.3ポイント上昇。「30%以上」と回答した企業は3割を超え、2014年以降で最も高くなった。

   管理職(課長相当職以上)に占める女性の割合は平均7.7%。2018年の7.2%から0.5 ポイント上昇した。18年以前の女性管理職の割合は、17年が6.9%(前年比0.3ポイント上昇)、16年が6.6%(同0.2ポイント上昇)、15年は6.4%だった。

   管理職の女性割合が「0%(全員男性)」の企業は46.7%だった。

   役員(社長を含む)に占める女性の割合は平均9.8%で18年から0.1ポイント上昇。また、女性役員が10%に満たない企業(「10%未満」と「0%(全員男性)」の合計)は73.5%と同0.2ポイント下落した。

「建設」「運輸・倉庫」「製造」などで低率

   女性管理職の割合を業界別でみると「小売」「不動産」「サービス」で高く、平均10.1~13.9%。一方、「建設」「運輸・倉庫」「製造」などが低い傾向にあり、平均5.0~6.1%。企業からは「女性は並行して複数の案件を進行・管理することに長けている」(事業サービス、京都)や「品質管理などの業務には女性の労働力はとても重要」(釣・はえ縄漁、鹿児島県)のほか、「女性の登用を行いたいが、中小企業は女性を管理者として育成する人的な余裕がないのが実態」(給排水・衛生設備工事、東京都)や「重要と思うが、運輸業ではもう少し時間をかけて変えていくしかない」(一般貨物自動車運送、愛知県)などの意見が寄せられた。

   当然ともいえそうだが、女性従業員の割合が高い企業では、女性管理職の割合も高くなる傾向。「小売」では、女性従業員割合が平均37.8%で、女性管理職割合は同13.9%。企業からは「もともと、女性主体の業種であり今後も大きく変わることはない」(医薬品小売、神奈川県)や「ユーザーへ女性の目線で提案・営業のできる社員が必要」(二輪自動車小売、山梨県)などの声が聞かれた。

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