トレーダーも夏休み
株価が下がりやすい月は、9月、8月、6月と、夏場に集中していることが明らかになった。
では、なぜこれらの月は株価が下がりやすいのだろうか?
はっきりとしたことは言えないが、欧米諸国は夏に長期休暇を取ることが多く、そのため機関投資家のトレーダーも休みを取るのかもしれない。彼らの大きな買い注文が株式相場に流入しないのか、いま一つ相場を押し上げるだけの力が働かないのだろうか。
アノマリーといえば、どこかオカルト的に聞こえるのだろうか。そんなものは信じないよ、と言う人は少なくないだろう。
しかし、われわれ一般投資家がはっきりと知ることはできないものの、株価を動かす力が大きいとされる大口の機関投資家の、彼ら自身の事情によって売買のタイミングに偏りが生じる、といったことはあるのかもしれない。
実際、海外のヘッジファンドが決算を迎える際に、業績をよく見せるため「お化粧買い」と呼ばれる投資行動をとることがある。そういったものの類であろう。
ヒトが株式を取引している以上は、彼らの事情で株式を購入したり、または売却したりすることがあるだろう。そうした経緯が、株式市場にランダムでない一定の法則性をもたらしているのではないだろうか。(ブラックスワン)