米国株上がりまくりで「わが世の春がきた」 怖がるな! 上場株式投資に国境はない!(小田切尚登)

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金融知識で個人財産に大きな「差」がつく時代

   日本だけに投資するもう一つの問題点は、リスクが日本に集中してしまうということだ。日本で住んで日本で働いている人が、余ったカネをすべて国内に貯蓄・投資していたとしたら、その人は日本が沈没したら一巻の終わりということになる。

   日本経済は世界と比べたらマイナーな存在であり、そこにすべてを賭けるのは危険すぎる。為替リスクが怖いという人がいるが、円の価値が下がった時のことを考えて、外貨に投資して為替リスクの分散をするのである。

   ちなみに、過去数年間は米国の株式以外を見ても、債券も上がったし、金をはじめとする貴金属の多くも大きく上がった。代表的な投資商品のほとんどが上昇したと言える状況であった。投資家はほぼ全員儲かったはずだ。

   それでも儲からなかったという人は、よほど運が悪いか、または、低迷する日本の重厚長大企業の株式に集中的に投資でもしていたか、のどちらかであろう。

   それでは今後どうなっていくのか――。世界情勢は常に混とんとしており、相場を正確に予測することは不可能である。そのため、我々がなけなしの資金を運用する時は、まず何よりもリスクを抑えることが大事だ。

   株式投資としては、米国株が引き続き投資対象の中心的存在になるだろうが、一方で今のレベルまで株価が上がってしまうと、下落リスクも大きいと想定しないとならない。そのため、株式に加えて債券や不動産などの様々な商品を含めて分散投資を検討していくことが今まで以上に必要となる。

   また、投資に関する手数料をできるだけ減らすことも、利回りを改善するために重要だ。金融についてどれだけ勉強したかどうかで、個人の財産に大きな差がつく時代になった。(小田切尚登)

小田切 尚登(おだぎり・なおと)
小田切 尚登(おだぎり・なおと)
経済アナリスト
東京大学法学部卒業。バンク・オブ・アメリカ、BNPパリバなど大手外資系金融機関4社で勤務した後に独立。現在、明治大学大学院兼任講師(担当は金融論とコミュニケーション)。ハーン銀行(モンゴル)独立取締役。経済誌に定期的に寄稿するほか、CNBCやBloombergTVなどの海外メディアへの出演も多数。音楽スペースのシンフォニー・サロン(門前仲町)を主宰し、ピアニストとしても活躍する。1957年生まれ。
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