「勤怠」は1か月の勤務状況を示す
給与明細書の構成がわかったところで、今回は「勤怠」欄に注目してみましょう。勤怠は、あなたの1か月の「働き」を示しています。
カスマルコーポレーションに勤める平松健史さんは入社2年目の25歳。出勤日数は、基本は月20日としましょう。多くの場合は、その月の土・日曜日や祝祭日を除いた日数になります。先月は一日も休まずに出勤したことがわかります。
なお、年次有給休暇が「10日」(入社2年目の8月段階の原則的な「残年休日数」)ありますが、先月は使わなかったことが「年休使用日数」の「0」日からわかります。
次に勤務時間ですが、労働基準法では一日8時間、一週間40時間と労働時間の上限が決められています。したがって、月20日の出勤で一日8時間労働を基準にした場合、1か月160時間が労働時間の上限になり、その時間を超えた時間はすべてが時間外労働(残業)時間になります。一日であれば、8時間を超えて労働した時間がすべて時間外労働となり、割増賃金の対象になるのです。
つまり、見本にある平松さんが先月1か月に働いた労働時間の合計は、「出勤日数」にあたる8時間×「20日」=160時間に、「時間外労働時間」の「20時間」を足した180時間であることがわかります。そのうちの20時間分が「時間外手当」(通常の賃金の最低25%増)、いわゆる残業代に反映されるわけです。
また時間外労働時間のうち、勤務が深夜(22時~5時)に及べば、深夜残業時間にカウントされて、深夜残業手当(通常の賃金の最低50%増)に反映されます。
この「勤怠」欄に、欠勤日数、法定休日出勤日数、遅刻回数、年次有給休暇の取得日数、年次有給休暇の残日数、時間外勤務時間数、深夜勤務時間数などが詳細に書かれている会社ほど、働く人の「実態」をしっかり把握しようと努めている会社といえるでしょう。
給与明細書は、決して捨てないでください。未来のために、必ず保管しておきましょう。自分の働いた歴史であり、なにか会社側とトラブルがあった時の証拠書類にもなります。(安藤文芳)
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