トランプ米大統領の発言が、株式と為替市場をカキ回している。中国が、米国の対中制裁関税「第4弾」の対抗措置として、米国が輸出する農産品を一時停止すると発表。中国・人民元は対ドルで約11年ぶりの安値水準に下落。これにトランプ米大統領が中国を「為替操作国」に認定した。
激しくなる米中貿易戦争に、英国の欧州連合(EU)離脱への影響が懸念されるなか、円が上昇。株式市場も、円高ドル安に嫌気して日経平均株価が急落した。
東京外国為替市場が休場の12日、海外市場では1ドル105.32円と約1年半ぶりの円高水準を付けた。どうなる? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場 悪材料が出なければ、2万円を割り込むことはない?
日経平均株価予想レンジ:2万300万円~2万1000円
2019年8月9日(金)終値 2万684円82銭
今週の日経平均株価は、もみあいが予想される。
前週の日経平均株価は、米中貿易摩擦の悪化を背景に、米国株式市場でニューヨーク・ダウ平均株価(NYダウ)が急落したことを受け、2週連続の大幅続落となり、一時は2万100円台まで下落した。
米国財務省が中国を「為替操作国」に認定したことを受けてドル円相場が1ドル=105円台まで、急激な円高が進んだことも日経平均株価の売り材料となった。
今週の日経平均株価は、米中の貿易摩擦に関連した悪材料や米国財務省による中国の「為替操作国」への認定は相場に織り込まれつつあり、7日までの4日間で1000円以上の下落から自律反発も期待できるが、米中貿易摩擦悪化への懸念が残り、また日本企業の決算発表が山場を越えたことで、手掛かりも材料難のため、もみあい相場となりそうだ。
米中貿易関連で悪材料が出ない限り、日経平均株価が2万円を割り込むことはなさそう。ただ、米国の主要経済指標の発表が相次ぐほか、14日には中国の7月の小売り売上高の発表があり、これら経済指標の内容次第では、相場が動く可能性もある。