ジュエリーボックスごと持ってくるバブル女子
大手リユースデパート「コメ兵」の各店舗にも、金を売る客が増えている。今年(2019年)4月以降の金の宝石の買い取り総額は前年同期より24.3%増えた。特に、8月1日から7日までの1週間は、前年比の60.5%増に達している。
同社広報の長谷川奈々さんはこう語る。
「生活の不安を感じて、初めて売りに来られる方が多いのが特徴です。特にバブル期に青春を過ごされた女性で、その後、指輪のサイズが合わなくなったりして、ずっとジュエリーボックスに眠っていた宝石類をお持ちになる方がとても多いです」
バブル世代女子といえば、現在40代後半から50代後半。確かにアクセサリー類がカラダにフィットしなくなっているかもしれない。
「『もう、何十年も身に付けなかったのに、こんなに高く売れるの? わあ~、うれしい!』と、二度目にはジュエリーボックスごと持ってこられる方も多いです」(長谷川さん)
男性の場合は、逆に「喜平ネックレス」と呼ばれる地金の純度を高めたタイプの中古品が、よく売れているそうだ。
「アスリート系というのでしょうか、強そうな感じの方が身に着けています。こちらは、これからもっと金価格が上がると期待して、オシャレと投資の一石二鳥をお求めのようです」(長谷川さん)
トランプ米大統領は世界中をかき回しているが、少しは人々の幸福感に貢献することもあるようだ。
(福田和郎)