JINS「近視進行抑制メガネ」で医療機器に本格参入 2023年をメド 慶大発ベンチャーと共同プロジェクト

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世界で深刻化する近視問題

   共同プロジェクトで開発を目指しているのは、近視が進行しやすい6~12歳の小学生を対象としたメガネ型医療機器。フレーム内側にライトの照射口を搭載、屋外でのバイオレットライトの放射照度の範囲をもとにした量の光を受ける。ライトが直接視界には入らない設計で、外側からも照射はわからない構造になるという。自然な見た目で普通のメガネと変わらないデザインを目指す予定だ。フレームにはジンズの超軽量アイウェア「エアフレーム(Airframe)」のノウハウを活用するという。

   今後は2019年を準備期間とし、20年から治験に取り組む計画。バイオレットライトについて「受けた」「受けない」の2群の経過観察などにより効果や安全性を証明するなどして、23年のうちに承認を取得する青写真を描いている。

   坪田教授はプロジェクトの発表に際して、近視が近年、世界で深刻化していることを説明。また、近視による視覚障害リスク、失明リスクも上昇しているという。

   「日本での失明の原因は、緑内障、糖尿病網膜症、網膜色色素変性と続くが、次は強度近視で、白内障より多い。中国では2番目の原因。世界をみても近視の人は増加傾向で、2050年には世界の半分が近視になる可能性を示した調査結果もある」という。

   その原因として考えられるのは、屋内で過ごすことが長くなりバイオレットライトが不足したことだ。

   坪田教授が示した資料によると、日本では子どもの戸外遊びの時間が以前に比べて激減。1955年に「男子3.2時間、女子2.3時間」だったものが、40年後の1995年には、男女合わせたデータで「37分」だった。

   坪田教授は、近視をめぐる近年の状況に危機感を持ち新たに「近視予防フォーラム」を設立。ジンズも参画することにしている。

   ジンズと坪田教授はこれまでにも「ブルーライト」に関して共同研究を実施。その成果として2011年に「JINS PC(現在はJINS SCREEN)」と名付けた「眼を守る」という付加価値を持ったアイウェアを発売し新市場を開拓した。

   ジンズの田中CEOは、プロジェクト発表で「JINS PC」をしのぐような、新たなイノベーションを起こす決意を表明した。

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