王室、政治家、アーティスト...... 多種多様な「血」を引く
ボリス・ジョンソンは、英ロンドンの知的エリートの家庭に育った。父親は外交官から欧州議会議員となった人物で、その先祖にはオスマン・トルコの政治家アリ・ケマルや、英国王ジョージ2世などがいる。画家の母はロシア系ユダヤ人の血筋であり、彼女の父親は大物弁護士である。つまり、ボリスは王室、政治家、アーティスト、キリスト教、ユダヤ、イスラムなど多種多様な血を引いているということだ。
また、彼はフランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、ラテン語に堪能である。
ボリスはパブリック・スクール(私立中等学校)の名門イートン校を経てオックスフォード大学で古典を学んだ。大学在学中にオックスフォード・ユニオンのプレジデントになった。200年近い歴史を持つこのディベート・サークルのプレジデントというのは歴史に名を残す名誉である。
オックスフォード大では、悪名高いブリンドン・クラブにも所属した。これは男子学生による秘密組織で、豪勢な飲食をしたりするのだが、その後レストランの食器を壊したりするといった狼藉で特に知られる。
ボリスは2年下のデービッド・キャメロン(元イギリス首相)らと共にこのメンバーだった。キャメロンはこれを恥ずかしい過去として消し去ろうとしているが、ボリスは気にしていない風である。
オックスフォード大学卒業というのは英国首相としては当然ともいえる学歴である。英国をはじめとする多くのヨーロッパ諸国では子供が10代の前半くらいで知的な職業につくかどうかの選択を迫られ、その後は大学に進学するエリートと労働者階級とは断絶することになる。