目指せ「住みやすい街トップ10」市長が語る「全部見せます」日野市のすがた(気になるビジネス本)

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「等身大の自分」を開き直って発信しました

初めて原稿を目にしたときは「かなり開き直ってるな」と感じた(大坪冬彦・日野市長)
初めて原稿を目にしたときは「かなり開き直ってるな」と感じた(大坪冬彦・日野市長)

   ―― この「職員手帳」に掲載されているQ&Aの回答は、ボーナス時の賞与明細書や給与明細書にアンケート用紙を同封して募集されたそうですね。大坪市長は、そのあたりはご存じでしたか?

   大坪市長「相談は受けました。私も『いいんじゃない』と許可したことを覚えています。悩みましたけどね。給与明細書に入れるというのは、ものすごい反発に遭う可能性もあるわけです。おもしろい試みですし、賭けでしたがうまくいったかなと思いました」

   ―― 市役所の職員には「お堅い」イメージがあります。そうした中で、制作も進行も、職員の方々がかなり伸び伸びと楽しんでいる様子がうかがえます。

   大坪市長「職員チームが結構乗っちゃって。(笑)わりと好きにやりたいということでしたので、私はそれを無理に止めなくてもいいかなと。まずは職員が主体となって考えてもらい、参加してもらいたい。そう考えると職員に任せたほうが、一番いいいのかなと。
私がそこで枠にはめようとすると、職員から生まれてきたエッセンスが消えてしまうでしょう。『こういうふうにしなさい』なんて言うと、せっかくのおもしろさがなくなってしまうし、でき上がった手帳を『ちゃんと読んでよ』などと言ってしまうと、このタイトルや精神そのものが死んでしまう。そう思っています」

   ―― 大坪市長が初めて原稿に目を通されたのはいつごろですか。

   大坪市長「10月だったかな。一か所修正したんですが、却下されちゃいました(笑)」

   ―― そのとき、原稿を読まれてどのように感じられましたか。

   大坪市長「かなり開き直っているな、と。タイトルもですが、たとえば『縦割りっていいんですか?』という質問に、『縦割りがいいんです』って答えたり。いい意味での開き直りが全体を貫いています。飾っていないというか。今の日野市の等身大の姿を、開き直って発信しようという意気込みで作られている。そんな感じがありました」

   ―― 目指すは「住みたい街ランキングのトップ10入り」ですか? 本には「前代未聞の街おこし」のサブタイトルがありますが、「街おこし」にどのように繋げていくのでしょうか。

   大坪市長「そう(トップ10入り)なったら、うれしいですね。実際に市の調査では、住んでいる市民からの評価は高いんですよ。『ぜひ、住んでみて』と言いたいですね。
ただ、現実はこの手帳にあるように、日野市は八王子市と立川市に挟まれて、埋もれてしまいそうな地味な市です。でも、もともとのポテンシャルは高いものがあります。自分たちがいいと思うもの、日野に住んでいる市民や職員が素晴らしいと思わなければ、外部から訪れる人もいいとは思わないですよね。だから、まずは自分たちの等身大の日野市を見せていく。そういうスタンスが貫かれています。日野市の現状やよさが、これを読めばわかる。街おこしの、いいカタチができつつあります」

「絶対に人に見せてはいけない 日野市の職員手帳」
日野の魅力発見 職員プロジェクトチーム著
東邦出版
税別1200円

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