東京外国為替市場 米国「追加利下げ」観測再び
ドル・円予想レンジ:1ドル=105円50銭~107円50銭
2019年8月2日(金)終値 1ドル=106円58銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルの下値を探る展開となりそうだ。
前週のドル円相場は、ドルが大幅下落。7月31日のパウエル米FRB(連邦準備制度理事会)議長の「長期にわたる利下げ開始を意味するものではない」との発言を受け、9月の追加利下げ観測が後退したことで、ドル円相場は一時1ドル=109円台前半まで上昇したが、トランプ米大統領が対中制裁関税「第4弾」を9月1日から実施すると発表したことで、リスク回避のドル売りにより、1ドル=106円台半ばに急落した。
今週の外国為替市場でドル円相場は、米中貿易摩擦の再燃でリスク回避のドル売りが継続すると見られることから、ドルの下値を探る展開となりそうだ。
加えて、パウエル米FRB(連邦準備制度理事会)議長は7月31日の利下げについて、「長期にわたる利下げ開始を意味するものではない」と発言しているものの、市場では米中貿易摩擦の再燃により、再び9月の追加利下げ観測が強まり始めており、ドルの下押し材料となりそうだ。
経済指標は、国内では6日に6月の家計調査、6月の毎月勤労統計調査、6月の景気動向指数、7日に7月29日、30日に開催された日銀金融政策決定会合の「主な意見」、8日に7月の景気ウォッチャー調査、6月の国際収支、9日に4~6月期GDP(国内総生産)速報値などが予定されている。なお、9日は上場企業の決算発表のピークとなる。
海外では、5日に米国の7月ISM非製造業景況指数、8日に中国の7月貿易収支、9日には中国の7月の消費者物価と生産者物価などが予定されている。
(鷲尾香一)