「鬼っ子」リブラ、じつは「ホンモノ」! それゆえリアル社会には出回らない?(志摩力男)

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トランプ米大統領は面白くない

   一方、途上国から先進国に資金が流れることになりますが、多くは(5割ほど)は米ドルとなります。「リブラ」が広まれば広がるほど、ドルが上昇圧力を受けます。トランプ米大統領は面白くないでしょう。

   また、先進国通貨へ分散投資されるということは、先進国の金融システムを利用することになりますが、システムへのタダ乗りと批判されても仕方ないでしょう。ゆえに銀行免許が必要との批判に繋がります。

   マネーロンダリングなどのリスクもまだ完全に解決されたわけではありません。反社会的勢力の資金が「リブラ」システムを使い、警察力の及ばないところに送金され、現金化される。またそのプロセスを繰り返すことで、容易に資金洗浄されます。

   ハッキングされた資金も、「リブラ」のように広い範囲で使われる仮想通貨では、法定通貨化する手段も多くなります。

   途上国の金融システムを破壊し、先進国の金融政策を制約、ハッキングやマネーロンダリングのリスクが消えないのであれば、「リブラ」が世に出てくることは難しいのではないかと、個人的には思います。(志摩力男)

志摩力男(しま・りきお)
トレーダー
慶応大学経済学部卒。ゴールドマン・サックス、ドイツ証券など大手金融機関でプロップトレーダー、その後香港でマクロヘッジファンドマネジャー。独立後も、世界各地の有力トレーダーと交流し、現役トレーダーとして活躍中。
最近はトレーディング以外にも、メルマガやセミナー、講演会などで個人投資家をサポートする活動を開始。週刊東洋経済やマネーポストなど、ビジネス・マネー関連メディアにも寄稿する。
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