インターネット上のデジタル情報は、20年前と比べて5000倍に増えているといわれています。
従来型のインプット術では、時間も手間もかかりすぎます。「スマホ疲れ」「情報疲れ」していませんか。読書、勉強、記憶、情報収集など、限られた時間で、良質な学びを手に入れるには、どうしたらいいのでしょう――。
著者は、精神科医の樺沢紫苑さん。40万部を突破した、前作「学びを結果に変えるアウトプット大全」(サンクチュアリ出版)の続編となります。
「学び効率が最大化するインプット大全」(樺沢紫苑著)サンクチュアリ出版
質のいい「インプット」とは何なのか
インプットは「量」と「質」どちらが重要でしょうか――。
樺沢さんは、答えは「質」だと説明します。ほとんどの人は「量」を目指しますが、効果的ではないと。
「それが、あなたが自己成長できない理由のひとつかもしれません。書店にいくと、『読書をしたらアウトプットしよう』という『アウトプット読書術』の本が増えています。『速読』『多読』をすすめる昔ながらの読書術の本が依然としてたくさん出ています」
「つまり、インプットの量を求めたい人がまだまだ多いということです。『たくさん読めば、自己成長できる』という間違った幻想に支配されている人が多いのです」
樺沢さんは、そう説きます。
ここで、みなさんに質問があります。考えてください。
Q.次のうち、自己成長するのはどちらでしょう?
A.月にホームラン本を1冊読む人
B.月に三振本を10冊読む人
ホームラン本とは、 非常に気付きと学びが多い本のことです。座右の書にしたい密度の濃い本のことです。三振本とは、 たいした学びが得られない内容の薄い本です。
1か月に1冊も本を読まない人が47.5%(文化庁)、1日の読書時間がゼロ分の大学生が半数(大学生活協同組合)という調査結果があります。近年、日本人の読書量の低下は顕著です。Aのように1冊をきっちり読むことも大切ですが、Bのように量をこなすことが可能なら有益ではないかとも思います。答えはどちらでしょうか。
樺沢さんは、
「答えはAです。内容の薄い三振本をたくさん読むよりも、本当に自分にとって必要で、『気付き』や『TO DO (すべきこと)』をたくさん得れるホームラン本を1冊しっかりと読み込んだほうが、自己成長は大きいのです。必要とする時間も『ホームラン本を1冊読む』ほうがはるかに効率的です」
と言います。