韓国政府は地方自治体の「暴走」を抑え始めたが...
その一方で、地方自治体を中心に、過熱する反日感情がスポーツ界の交流にも水を差している。友好都市間の少年サッカーなどの交流試合だけでなく、国の代表チームクラスにも広がっている。朝鮮日報(7月31日)「日本での国際大会に出るな」は、8月1日から北海道で始まっているカーリング国際大会に、招待されていた2つの女子チームが参加しないことを決めたと報じた。
「カーリングチームを運営する地方自治体が、最近の韓日関係の冷え込みを理由に大会不参加を決めた。しかし、この大会は、ほかの国際大会に出場するためのランキングポイントが付与される大会であるため、『政治的理由でカーリング選手たちの選手生活に被害が及んでいる』との指摘が出ている」
しかも、2チームのうちの1つは昨年の北海道大会の優勝チーム、もう1つは今年の最有力の優勝候補に挙げられていた。
こうした地方自治体の行き過ぎについて、一時は豊臣秀吉の朝鮮侵略を持ち出していた文在寅政権も、ここ数日はむしろ抑える側に回っていた。日本政府が「ホワイト国除外」を決めた8月2日、朴良雨(パク・ヤンウ)文化体育観光部長官はSNSで、スポーツ・文化交流を継続するよう発信したのだ。聯合ニュース(8月2日付)「韓国文化体育相『韓日関係困難でも交流継続を』 SNSで訴え」は、こう伝えている。
「朴良雨・文化体育観光部長官は自身のフェイスブックに『韓日関係が困難な状況だが、われわれの未来世代である若者たちは文化交流を続けている。このような時こそ文化・スポーツ分野の交流がさらに大切だ』と書き込み、7月31日に春川で開かれた青少年文化交流行事を報じた記事をシェアした。広島県から訪れた青少年11人は4日まで春川に滞在し、韓国文化を体験する予定だ」
「また、済州島で開かれる『韓日海峡沿岸市・道・県スポーツ交流大会』に参加する日本の青少年サッカー団も7月31日に済州空港に到着した。サッカー団は2泊3日間済州島に滞在、韓国の青少年サッカー団と親善試合を行う。このほか佐賀県の生徒ら41人は釜山で開かれる『国際青少年芸術祭』に参加するため、2日に釜山港に到着する予定だ...」
せっかく芽生え始めた文在寅政権内の「冷静な対応」に、一気に火をつける結果にならなければよいが......。
(福田和郎)