韓国紙が示す安倍首相の強硬姿勢への意外な「理解」
ところで、韓国紙の中には逆に安倍首相に「理解」を示す論調も少なくない。たとえば、中央日報(7月31日付)「コラム:韓日『経済戦争』究極的目的は何か」では、安倍首相の頑なな姿勢の「理由」をこう説明している。
「日本政府は、植民支配の違法性を認め被害者に賠償しろという韓国政府の要求は受け入れ難いという。植民支配の違法性を認めたこともなく賠償したこともない英国、フランス、ドイツ、スペインなど国際社会の非難を受けかねない。植民支配の被害を賠償し始めれば、韓国だけでなく、台湾、フィリピン、ベトナム、ミャンマーなど他の国の被害者にも賠償しなければならない。賠償金額を支払いきれず、政府与党の再執権の可能性も大きく落ちるためだ」
そして、同じ中央日報(7月29日付)の「リセットコレア:輸出制限に込められた安倍首相の狙い」は、欧州各国や東南アジア諸国よりも「厄介な」あの国に言及している。
「韓国の徴用被害者に賠償する場合、同じ請求が過去の支配地域で相次いで提起され、北朝鮮との国交正常化にも賠償金が増大する可能性が高い」
(福田和郎)