復興財源、もうお忘れですか?
もう忘れているかもしれないが、じつは復興財源確保法で2022年度までに生じた日本郵政株の売却益は、東日本大震災の復興財源に充てることが決められている。
東日本大震災の復興は、復興推進会議の決定に基づく復興財源フレームで、日本郵政株の売却益4兆円程度が盛り込まれている。このため、政府による日本郵政株の売り出しが頓挫したり遅れたりすれば、東日本大震災の復興作業に影響が出る可能性がある。
また、仮に日本郵政株が売り出せたとしても、売り出し価格が想定を下回るようであれば、予定している東日本大震災の復興資金が足りなくなる恐れがある。
かんぽ生命の不正販売は、その被害者はもとより、かんぽ生命株、日本郵政株を保有する投資家への背信行為や、それ以上に東日本大震災の被災者にまで、大きな悪影響を及ぼす可能性があるのだ。(鷲尾香一)