プレ金、キャッシュレス決済で「お色直し」か?
僕はこういう催しそのものが「悪い」と言っているのではない。それどころか、僕が行きつけのビアホールのプレミアムフライデーは、ある銘柄の生ビールが昼の開店から夕方6時まで半額になる。暇人の僕はよく出入りしている。
だけど、経産省、つまり政府がこんなことを「国民運動」と銘打って行うのは、いささか押しつけがましいのではないだろうか。
世耕弘成経産相はプレミアムフライデー2周年の2019年2月、記者会見で「もう新たな予算を使ったりする施策ではない」と言ったそうだ。だが、ある施策がいったん始まると、途中で失敗とわかってもやめない。それが役人たちの悪い癖である。
現に、プレミアムフライデーは2年半になってもまだ続いている。加えて、最近の「情報」を読むと、経産省が推進している「キャッシュレス決済」と合体させようとしている。プレミアムフライデーの「お色直し」みたいである。
日本は「独裁国」ではないのだから、あれもこれも、本来は民間に任せておけばいいことなのに、政府がのさばり出て旗を振りたがる。そんな「国民運動」なんて、余計なお世話なのである。(岩城元)