その93「プレミアムフライデー」「こんなものいらない!?」(岩城元)

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プレ金、キャッシュレス決済で「お色直し」か?

   僕はこういう催しそのものが「悪い」と言っているのではない。それどころか、僕が行きつけのビアホールのプレミアムフライデーは、ある銘柄の生ビールが昼の開店から夕方6時まで半額になる。暇人の僕はよく出入りしている。

   だけど、経産省、つまり政府がこんなことを「国民運動」と銘打って行うのは、いささか押しつけがましいのではないだろうか。

   世耕弘成経産相はプレミアムフライデー2周年の2019年2月、記者会見で「もう新たな予算を使ったりする施策ではない」と言ったそうだ。だが、ある施策がいったん始まると、途中で失敗とわかってもやめない。それが役人たちの悪い癖である。

   現に、プレミアムフライデーは2年半になってもまだ続いている。加えて、最近の「情報」を読むと、経産省が推進している「キャッシュレス決済」と合体させようとしている。プレミアムフライデーの「お色直し」みたいである。

   日本は「独裁国」ではないのだから、あれもこれも、本来は民間に任せておけばいいことなのに、政府がのさばり出て旗を振りたがる。そんな「国民運動」なんて、余計なお世話なのである。(岩城元)

岩城 元(いわき・はじむ)
岩城 元(いわき・はじむ)
1940年大阪府生まれ。京都大学卒業後、1963年から2000年まで朝日新聞社勤務。主として経済記者。2001年から14年まで中国に滞在。ハルビン理工大学、広西師範大学や、自分でつくった塾で日本語を教える。現在、無職。唯一の肩書は「一般社団法人 健康・長寿国際交流協会 理事」
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