「O2O」がトレンド
「帝国」アマゾンとしては、オフライン効果を無視できないようで、実店舗のオペレーション着手や、ホールフーズ買収のあとには、宅配便受け取り用の「アマゾンロッカー」をスタート。郵便局や配送業者の拠点以外に、受け取り・返品場所のオプションを設けた。
アマゾンは17年の終わりに、米デパート大手、コールズと提携して同社の店舗で返品できるシステムを構築。また、アマゾンと同じEC専業業者が実店舗を持つ小売と提携関係を結び「O2O」に遅れをとらないよう対策をとっている。
「クリック&コレクト」や、返品の店舗受付は、配送コストの節約にもつながり、また、実店舗があれば新規顧客をめぐってもコストは安価になるという。こうしたことなどから、「O2O」の動きのように、今後はますますオンラインとオフラインの区別があいまいになるのではないかという。そうした現象を象徴して「フィジタル」という新しいことばが登場している。「フィジカル(physical=物質の、自然の)と「デジタル(digital)」を合わせたものだ。成毛さんは「まえがき」で「今後のビジネスのキーワードになる予感をさせる」と述べている。
「amazon『帝国』との共存」
ナタリー・バーグ、ミヤ・ナイツ著
成毛眞監修
フォレスト出版
税別1800円