「金持ち企業ランキング」の1位に、東芝が輝いた。現金・預金と有価証券を合わせた額から有利子負債を差し引いた「ネットキャッシュ」が9777億円にのぼった。与信管理サービスなどを提供するリスクモンスター(東京都中央区)が調査した。
調査はこれが7回目。今回は2019年6月17日時点で開示されていた18年4月期決算以降の最新決算を調査してネットキャッシュを算出した。調査対象企業数は2876社だった。
ランキング2位は任天堂の8445億円、3位に信越化学工業の8120億円、4位がSUBARUの7313億円、5位はファナックの6071億円と続いた。信越化学工業は第5回と第6回の、ファナックは第1回から第4回までのトップだった。
経営再建の事業売却収入
「金持ち企業ランキング」の6位以下をみると、順にSMC(5123億円)、キーエンス(4682億円)、日本航空(3251億円)、セコム(2944億円)、大正製薬ホールディングス(2825億円)と続く=別表参照。
前回の調査で2813位だった東芝は今回、大幅ランクアップ。2015年に発覚した粉飾決算を契機に不振に陥った東芝は経営再建を進めている最中で、その一環として有力事業を売却して多額のキャッシュを獲得したとみられる。
調査を行ったリスクモンスターによると、任天堂や信越化学工業、ファナックなど毎回上位に顔を出す企業の多くは、一定の営業キャッシュフローを確保して、その一部を「現金」として確保している。一方、東芝は営業キャッシュフローが1248億円なのに対し、ネットキャッシュが1兆3518億円増加。本業収益による現金創出ではないことが明らかで、ほかのランクイン企業との違いが際立っているという。