2019年3月期決算の上場企業1841社の平均年間給与は629万円で、前年同期(621万8000円)に比べて7万2000円(1.1%)増加した。東京商工リサーチが2019年7月22日に発表した。
平均年間給与は調査を開始した10年3月期以降、9年連続で上昇。10年3月期の567万円から1.1倍増えた。平均年間給与の中央値も、614万2000円(前年同期608万3000円)で、平均年間給与の底上げが進んでいることがわかった。
トップ10に総合商社の「力」最高は三菱商事の1607万7000円
1841社の平均年間給与を企業別にみると、トップは2年連続で三菱商事。1607万7000円(前年は1540万9000円)だった。2位は伊藤忠商事の1520万7000円(同1460万9000円)。3位は不動産開発の日本商業開発で1501万1000円(同1368万5000円)だった=別表参照。
トップ10には、三井物産(4位、1430万円)や住友商事(6位、1389万5000円)、丸紅(7位、1389万3000円)の総合商社が半数を占めた。
平均年間給与が1000万円以上の上場企業は、27社(構成比で1.4%。前年は24社)で過去最多となった。また、600万円以上700万円未満が527社(同28.6%)、500万円以上600万円未満が523社(同28.4%)と拮抗。500万円以上700万円未満が1050社(同57.0%)と、全体の5割以上を占めた。
また、業種別では建設業が3年連続でトップ。平均年間給与は749万3000円(前年は741万7000円)だった。東京商工リサーチによると、建設業は活発な建設投資による業績改善に加え、人材確保のための賃金アップもあるとみている。
一方、最低は小売業の486万7000円(同477万円)と唯一、400万円台にとどまった。サービス業の531万3000円(同527万9000円)、運輸・情報通信業の626万7000円(同620万2000円)と続く。ただ、小売業は8年連続、サービス業も9年連続で前年を上回っている。
トップの建設業と、最低の小売業の差は262万6000円(前年は264万7000円)と、1.5倍の格差がある。
なお、調査は2019年3月期決算の上場企業を対象に、有価証券報告書の平均年間給与を抽出・分析した。2010年3月期決算から連続して比較可能な企業が対象(変則決算企業と持ち株会社は除く)。