一過性のブームが去り、メディアにそっぽを向かれて......
調査を行なった「しゅふJOB総研」の川上敬太郎所長は、
「導入初年度のほうが、今年よりは話題になる機会が多かったからでしょう。『キッズウィークを知っていた』と答えた人に、『あなたの住んでいる地域ではキッズウィークを導入しているか』と聞くと、『導入している』と答えた人が8.0%いましたが、『わからない』と答えた人が58.4%もいました。導入して1年たつのに、ほとんど浸透していないということになります」
と説明する。
確かに、「キッズウィーク」で検索すると、昨年は山のように記事が出てくるが。今年はほとんど出てこない。すっかりブームが冷え込んでしまったのだ。いずれにしろ、認知度が非常に低いことがわかった。そこで、キッズウィークの趣旨を説明したうえで、導入の賛否を聞くと、「賛成」が32.3%、「反対」が8.6%、「わからない」が59.1%と、賛成が反対を上回った。
しかし、もともと「知っていた人」と「知らなかった人」に分けて賛否を聞くと、「反対」の割合は「知っていた人」が18.6%、「知らなかった人」が6.7%と、「知っていた人」の方が11.9ポイントも高かった。つまり、キッズウィークの事情をよく知っている人ほど、反対する人が多かったのだ。
いったい、なぜだろうか。調査に寄せられた賛成の意見をみると――。
「親子の思い出作りができる」(60代、在宅ワーク)
「休みの時期がみんな一斉だと観光地や交通機関が混在するので分散させた方がいい」(50代、今は働いていない)
「共働きが多くなり、子供との時間を無理してでも作る必要があるが、自治体も応援してくれると、大人も休みやすい」(30代、正社員)
「夏休みも親が働いて家にいない子供が多くなっているので、休みの分散化で子供と親が一緒に行動できるのはとてもよいことだ」(50代、派遣社員)
「長い夏休みを子どもに寂しい思いをさせなくてすむ」(30代、今は働いていない)
「多様化する働き方に合っている」(50代、派遣社員)
などと、いいことずくめのように思える。