いよいよ夏休みだが、「キッズウィーク」という言葉をご存じだろうか。働き方改革の一つとして昨年度(2018年度)から導入された、学校の夏休みなどを活用して親子が一緒に休みをとる制度だ。
ところが、「ええっ、そんな制度が始まっていたの?」と、働く女性の約84%が知らないことが調査でわかった。しかも、導入前の昨年の調査より「知らない人」が増えているありさま。あの失敗に終わった「プレミアムフライデー」に似てきたようだが......。
制度が始まったのに「知らない人」が増えている!?
「キッズウィーク」は、政府の教育再生実行会議が2017年6月に提言。2018年7月の夏休みから全国で導入が始まった。地域ごとに、夏休みや冬休みなど学校の長期休業日から、一部の休業日を他の日に移して4~5日間の連休をつくる。その連休に合わせて大人も有給休暇を取得し、親子が共に休日を過ごすことを国民運動として盛り上げていく、というものだ。
たとえば、先駆的な試みをしている佐賀県武雄市の場合、今年(2019年)のキッズウィークを10月11日(金)~14日(月・祝日)の4日間と決めた。11日の金曜日を小中学校の休業日にする分、夏休みを1日減らした。親たちは11日(金)に有給休暇をとれば、子どもと一緒に4連休(金・土・日・月=祝日)をとれる仕組みだ。
地方の実情に合わせて日程を調整するため、都道府県や市町村の教育委員会ごとに実施するが、2018年に実施したところは、都道府県では約15%、市町村では約9%にとどまり、まだまだ熱意に乏しい状況だ。
今回、働く女性のキッズウィークに関する「認知度」を調べたのは、主婦に特化した就労支援サービスを展開する「ビースタイル」の調査機関「しゅふJOB総研」。2019年7月18日に発表した。「キッズウィークを知っているか」と聞くと、「知らなかった」と答えた人が83.7%に達し、「知っている」と答えた人は16.3%に留まった。
じつは昨年も同じ調査を行なったところ、「知らなかった」人が68.5%、「知っている」人が31.5%だったから、実施されて1年たつというのに、認知度が逆に15.2ポイントも下がるという不思議な結果になった。