あのヒトもフィンランド出身だった
フィンランド人気の高まりもあり、同国の航空会社フィンエアーは今や、独ルフトハンザや仏エールフランスをおさえ、日本と欧州を結ぶ最大のエアラインに成長したという。19年夏期のスケジュールでは、日本航空とコードシェア便を含め、成田、中部、関西、福岡の各空港とヘルシンキとの間で週41便。19-20年冬期スケジュールでは札幌便が就航するという好調ぶりだ。
フィンエアーの人気を加速したのが、「マリメッコ」とデザインパートナーシップを結んだことだ。ケシの花をモチーフにした「ウニッコ」を機体に施したエアバスA330、石をモチーフにした「キヴェット」の同A350と2機の特別塗装着機が、日本をはじめアジアの各都市を結ぶ路線で就航。機内のテーブルウエアなどにも「マリメッコ」製品を採用、アメニティキットでも「マリメッコ」のオリジナルデザインのものが提供されており、ライバル他社との差別化が際立つようになった。
19年夏期スケジュールからは、ビジネスクラスのアメニティポーチとアイマスクに、「ウニッコ」のデザイナー、マイヤ・イソラが1960年代にデザインした4つの柄を加えるなど、ラインアップのリフレッシュを怠らないことも人気の秘訣だ。
巻末には「日本フィンランド外交関係樹立100周年 外交・デザイン関連年表」があり、そのなかには、1992年に、フィンランド出身のツルネン・マルテイさんが神奈川・湯河原町議に当選したこともしっかり記録されていた。フィンランドに親しみが間違いなく増す一冊。
「フィンランドを知るためのキーワード A to Z」
萩原健太郎、日本フィンランドデザイン協会著
ネコ・パブリッシング
税別2000円