その92 期日前投票・不在者投票の「宣誓書」「こんなものいらない!?」(岩城元)

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1~6号の「理由」に当てはまらない人はどうするの?

   ところで、僕は投票日当日には予定も何もないので、投票所に行ける。だけど、期日前投票というのを一度やってみたかった。それだけのことだから、1号から6号までのどの理由にも該当しない。印をつけるべきところがない。

   投票所の受付の女性にそう伝えると、彼女は「でも......」と、困ったような顔をしている。そのやり取りを聞いて、奥から出てきた年配の男性が「どこかに印をつけてもらわないと、投票できないのですよ」と言う。

   「じゃあ、天災、悪天候に印をつけます。当日は天変地異があるかもしれないから」と言ったら、彼は「それはちょっと...... 1号か2号にしてもらえないでしょうか」。選管の職員がそこまで指図していいのだろうか。そうは思ったけれど、ケンカするのも面倒くさい。素直に彼に従った。

   以上、なんともマンガチックな話ではないだろうか。なんで理由まで書かせるのか。そして、それらの理由が嘘でないことを、わざわざ誓わせるのか。

   でも、選管自体が好き好んでこんなことをやっているわけではない。公職選挙法施行令に、そうするよう書かれているのである。

   とはいえ有権者を小馬鹿にした、こんな「宣誓書」など、すぐにやめてもらいたい。(岩城元)

岩城 元(いわき・はじむ)
岩城 元(いわき・はじむ)
1940年大阪府生まれ。京都大学卒業後、1963年から2000年まで朝日新聞社勤務。主として経済記者。2001年から14年まで中国に滞在。ハルビン理工大学、広西師範大学や、自分でつくった塾で日本語を教える。現在、無職。唯一の肩書は「一般社団法人 健康・長寿国際交流協会 理事」
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