2019年上期(1~6月)の貿易収支は、8888億円の赤字だった。財務省が7月18日に発表した。
赤字は18年下期に続き、2期連続。中国向けの半導体等製造装置の輸出が落ち込んだことなどが響いたとみられる。鉄鋼や自動車部品も減少した。
深刻化する対中貿易、背景に米中摩擦
1~6月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は8888億円の赤字だった。
全体の輸出額は、半導体製造装置や鉄鋼、自動車部品の減少により、前年同期比4.7%減の38兆2404億円。輸入額は石油製品や非鉄金属の減少で、1.1%減の39兆1292億円となった。それぞれ、5期ぶりの減少。輸出額の大幅な減少が赤字の原因。
国・地域別でみると、中国向けの輸出額は半導体等製造装置などを中心に、8.2%減の7兆301億円で、5期ぶりの減少。その結果、貿易収支は2兆493億円の赤字だった。米中貿易摩擦の激化を背景に、低迷する中国経済の影響を受けたとみられる。
欧州連合(EU)向けの貿易収支も、2391億円の赤字。一方、米国向けの貿易収支は、自動車や半導体等製造装置の輸出増により3兆4590億円の黒字となった。
また、財務省が同時に発表した6月の貿易収支は、5895億円の黒字。黒字は2か月ぶりだが、前年同月に比べると黒字幅は縮小。原因は、輸出の大幅な減少。輸出は前年同月比6.7%減の6兆5845億円で、7か月連続で減少した。
なかでも、中国向けの輸出額は10.1%の減少で1兆2459億円。4か月連続の減少で、半導体等製造装置が27%減、自動車部品は30%も減った。
対中貿易は深刻化している。