日韓の経済戦争が泥沼化の様相を呈してきた。文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領は2019年7月16日、日本政府の輸出規制を「韓国への重大な挑戦だ」を激しく批判。一方、日本側は韓国が求める協議には一切応じない構えだ。
こんななか、韓国紙も次第にヒートアップの度を強めている。大手韓国紙を読み解くと、日本では報じられない韓国の裏事情が見えてくる。
「我が国代表に物置で会うとは!」韓国紙が激怒した実務者会談
これまで比較的クールな反応が多かった韓国紙を一斉に激怒させたのは、7月12日に経済産業省の会議室で開かれた日韓の実務者による「説明会」だった。韓国紙はこれを「倉庫会議」あるいは「物置会談」と報道し、日本側の「無礼な対応」に怒りを向けた。倉庫や物置のようなひどい場所で、韓国の代表に対応したという意味だ。
ハンギョレ(12日付)は「『輸出規制』後初めて実務会議...殺伐とした会議室、握手もなし」という見出しで、殺風景な会議の写真を大きく載せ、こう報道した=メイン画像参照。
「日本政府関係者は整頓されていない会議室で韓国代表を迎えるなど、韓国にきわめて冷ややかな態度を示した。交渉のテーブルには、韓日の交渉担当者たちの名札もなかった。日本の代表は韓国の代表を待ちながら、終始正面だけを見つめていた。韓国の代表が入ってきても立ち上がらなかった。両者はあいさつも名刺交換もしなかった。会議の場所も整頓された所ではなかった。テーブルと簡易椅子が一隅に積み上げられ、床には機材の破損の跡が残っていた」
朝鮮日報(13日付)の「社説:日本の意図的な冷遇に韓国政府・国民は冷静に対応すべき」もこの異常な会議の模様をこう伝える。
「テーブルの横に置かれたホワイトボードには『輸出管理に関する事務的説明会』と書かれていた。『韓国政府が今回の措置を気にしているので説明するに過ぎない。韓国の主張は聞かない』という意味だ」
「海外からの訪問者を迎える時には『おもてなし』を前面に出す日本で、実務担当者クラスの人間が自らの判断でこのように失礼な対応をするとは考えられない。上からの指示に従い徹底して計算された冷遇だ。それに対して我々が興奮すれば、日本の意図に巻き込まれる恐れがある」
「冷静かつ落ち着いて対処しなければならない。韓国社会の一部では日本製品の不買運動が始まっているが、これは何のプラスにもならない。日本は韓国政府と韓国国民がどのような態度を取るか計算している。その計算とは違った行動を起こさねばならない」