「カメ止め」公認の「超C(銚子)級」映画
「まずい棒」が、うまくいったことを目の当たりにした竹本さんは、寺井さんに、次のあやかり戦略の相談をもちかける。「あの作品を観たときにビビビッと来ちゃったんです。「よし! 銚電でも映画を創ろう!」って」。「あの作品」は「カメラを止めるな!」。竹本さんが考えている作品は「電車を止めるな!」だ。
銚子電鉄では2020年度以降、変電所の改修工事に多額の費用がかかることが見込まれ、その資金調達の必要に迫られている。その額は2億円。「またパクリじゃないですか」とあきれる寺井さん。それでも、プロデュースの依頼に「電車を止めないためには、映画をヒットさせるしかないですね」と請け負った。
タイトルをめぐっては制作協議のなかで反対意見もあったが、「カメ止め」の上田慎一郎監督から「電止め」のタイトル使用について快諾を得られた。竹本さんは「『カメラを止めるな!』の公認に昇格したわけだ」と喜びを表した。
「超C(銚子)級」映画と銘打った映画「電車を止めるな! 呪いの6.4km」は、8月公開予定。竹本さんは本書で「3億円のヒットを目指したい」と願っているところ。電車は動き続けるか、止まってしまうのか――。
「崖っぷち銚子電鉄 なんでもありの生存戦略」
竹本勝紀、寺井広樹著
イカロス出版
税別1500円