天才創業者の後継に注目! 「ジュリー&タッキー」の二頭体制はうまくいくのか?(大関暁夫)

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ジュリー氏が「余計な口出し」すると......

   問題は、ジュリー氏がマネージャー経験も豊富であり、その点で母のメリー氏とは事務所における立ち位置が異なっているということかもしれません。

   ジャニーズ事務所におけるタレントの育成・プロデュースは、製造業における開発・製造部門にあたります。まさしく製造業の心臓部です。言ってみれば、創業者で次々新たなヒット製品を生みだす天才技術者であるジャニー氏を、姉のメリー氏が余計な口出しすることなくマネジメント面からフォローしたことが、唯一無二のアイドル生産企業「ジャニーズ事務所」を作り上げたわけなのです。

   SMAPの解散問題では、現場マネージャーとの対立でクローズアップされたジュリー氏の存在は、最大の懸念材料かもしれません。

   技術系とマネジメント系の分業体制は、黎明期のソニーがいい手本でもあります。

   創業者の井深大氏と盛田昭夫氏は共に技術者でありながら、井深氏が技術に専念することで次々画期的な製品開発ができたのは、盛田氏が組織マネジメント・営業に専念したことで分業体制が確立できたからといわれています。

   井深氏が晩年、文化勲章を受賞した際に「嫌なこと、大変なことはみんな盛田さんが引き受けてくれた」と話して、自らの功績の陰にある技術者でありながら、自分を技術畑に専念させてくれた盛田氏を称えたというのは有名な話です。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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