1回出れば広告費換算3000万円
メディアで繰り返し取り上げられるような「ストーリー」が、どの企業にもあるとは限らないが、著者によると、それがあっても気づいていない企業が多いという。本書では、「獺祭」の旭酒造のほか、メーカーや小売の企業の実例を基に「テレビが飛びつくストーリー構築法」をガイダンス。創業期のエピソードや、社長の立志伝などを発掘すると、格好の材料になる可能性がある。
インターネットの普及・進化、デジタル化したテレビの多チャンネル化などで各メディアがマルチメディア化、ワンソースでマルチユースが可能な取材対象が歓迎される傾向にあり、その意味では「ストーリー」は、メディア側で伝える際に工夫を凝らせる余地があり、うまくはまれば、大きなPR効果が生まれる。
本書によると、テレビの人気番組に1回出れば、広告費に換算すると3000万円ほどに値するという。現代では、地上波での放送後にBSやCSでのリピート、地方局であらためて放送されることがあり、価値や効果はもっと大きいに違いない。
『タダで、何度も、テレビに出る!小さな会社のPR戦略』
下矢一良著
同文館出版
税別1900円