自動運転に関連する銘柄を探してみた。
自動運転車は、人間に代わってAI(人工知能)が運転の一部もしくは全部を担う。自動運転の段階はレベル0~5までの6段階に分類されており、自動ブレーキなどの運転の一部を補助するものから、ハンドルのなくなる完全自動運転まで、さまざま。2020年にはレベル3(条件付運転自動化)の自動車が走るのではないかと話題だ。
自動運転関連銘柄を見つけるべく会社四季報を眺めていたところ、「ゼンリン」を見つけた。ゼンリンは地図情報を取り扱う会社だが、自動運転にも関わっていることを知り、分析してみた。
「ダイナミックマップ」にゼンリンの高精度空間データ
【ゼンリン(9474)】
2019年6月25日終値の1940円で、100株を取得
年初来高値(2019年2月21日) 3160円
年初来安値(2019年6月28日) 1895円
2019年6月28日終値 1902円
ゼンリンは、「知・時空間情報」の基盤となる各種情報を収集、管理して住宅地図帳などの各種地図、地図データベース、コンテンツとして提供する。1994年に東証一部に上場。プロダクト事業、公共ソリューション事業、マップデザイン事業、オートモーティブ事業、IoT事業、マーケティングソリューション事業の6つの事業を軸に展開している。
今回、自動運転で会社四季報を検索して引っかかったのが、オートモーティブ事業である。
レベル2までの自動運転では、車載カメラなどの装置による車両単体の周辺認識で済む。それに対して、より高度なレベル3~5においては、地図情報に加え、道路状況、気象情報を統合し、リアルタイムでシステムに伝えることが必要となる。こうしたさまざまな情報を統合化した地図情報は「ダイナミックマップ」と呼ばれ、自動運転の実現に欠かせない。
そのダイナミックマップの基盤のひとつとして期待されているのが、ゼンリンの高精度空間データだ。自動運転におけるシステムのうち、クルマがいまどこにいるのか、走行中の路面空間に何があるのかという「認知」、どこをどう進むべきかという「判断」の二つのステップを支えている。
これからの自動運転に欠かせない技術を持っていることが高く評価できる。
また、5月には日産自動車が安全運転支援システム「ProPILOT 2.0」にゼンリンの「3D高精度地図データ」を採用したと発表しており、さらなる躍進が垣間見える。
株価はいまや2000円割れに
財務分析を行ったところ、売上高、営業利益、純利益ともに2015年から順調に伸びていた。自己資本利益率(ROE)は8.1%、総資産利益率(ROA)は4.6%と、特筆するほどいいわけではないが、会社四季報の予想では来期それぞれ10.7%、5.7%と伸びる見通しだ。
ただ、不安要素がないこともない。グーグルマップからゼンリンのクレジットが消えたことを受けて、ゼンリンの株価は値下がり。3月初めに3000円を超えていたにもかかわらず、現在は2000円を割っている。
ここで買うのは少し怖いが、反発すると予想し、25日終値で100株を買った。
【株式取引ルール】
・月200万円を上限に最低1銘柄(企業)を選ぶ、バーチャル投資です。
・投資対象は、新興市場を含む上場企業の現物取引です。
・1年間のトータルで損益を競います。