包囲されるGAFA、中国の逆襲...... プラットフォーマー戦争の勝者は?(気になるビジネス本)

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個人データをビジネス利用

   GAFAは欧州各国でも巨大な収益を上げているが、域内に恒久的施設を置いておらず、それは税金逃れだと批判を受けた。EUは規制を強め制裁金を課すなどして逆襲。英国は「デジタル課税」導入の方針を示している。

   欧州ではまた、2019年5月に欧州一般データ規則(GDPR)が発効。EU加盟国に欧州3か国を加えたEEA(欧州経済地域)域内で、すべての個人データについて保護を強化するもので、世界で最も厳格なプライバシー規制とされる。アジアでも同じような規制が数か国で導入予定という。

   個人情報をビジネスばかりか、政治や国民監視への応用を考えていたという中国では、GAFAの呼び名が現れる以前から米IT企業の排除を実施、個人情報の海外流出を予防した。巨大市場を国外企業に開放することなく自国の企業を優遇し、SNSのテンセントやECのアリババなどが、個人情報を使ったビジネスのノウハウを確立。中国はこれら企業と連携して、国際市場でのプレゼンスを高めたいと考えている。主なターゲットは、中国が提唱している経済圏構想「一帯一路」の参加国という。

   中国は、今後に本格化する「5G」の通信ネットワークを、この「一帯一路」に広げて「デジタル・シルクロード」を実現することも構想しているという。次世代の5Gをめぐっては、ファーウェイをはじめ中国企業が数多くの規格必須特許を保有。ZTE(中興通訊)なども含め中国企業全体が保有する特許は2019年2月初め時点で1529件で世界の36%にのぼる。他方、クアルコムやインテルなど欧米企業の占める割合は14%にとどまるという。

   トランプ米大統領はファーウェイ排除を呼び掛けたが、5G時代が本格化すると同社の技術を使わないわけにはいかず、仮に排除が完全に行われてもファーウェイには特許の使用料を払わなければならない。

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