「GAFA」とまとめて呼ばれることがすっかり定着した米国のプラットフォーマー4社は、近年、個人データの取り扱いや市場の独占、課税逃れなどを指摘されて評価の潮目が変化してきた。
革新的IT企業として仰ぎ見られる存在だったものが今では、各国で規制が強化されるなど包囲網が築かれはじめているという。
「プラットフォーム経済圏 GAFA vs.世界」(木村登英著)日経BP
無償サービスでGAFA成長の理由
GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)のそれぞれのサービスは、ほとんどが無償で提供されているにもかかわらず、4社はそろって巨大な富を生みだしている。本書「プラットフォーム経済圏 GAFA vs. 世界」(日経BP)ではまず、そのからくりを解き明かしている。著者の木村登英さんは、日本銀行政策委員会の審議委員を務めたトップエコノミストだ。
プラットフォーマーが提供するサービスに対して利用者は金銭を支払ったりすることはないのだが、じつは目に見えない対価を支払わされている。利用との交換で知らせることになる「個人情報」だ。「ユーザーがサービスを利用すると膨大な個人データが蓄積され、その個人データが本人の知らないところでターゲット広告などに利用されている」。個人情報はほかの方法でも利用され、プラットフォーマーの成長を支える柱になっているという。